2023 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業のイノベーションにおけるR&D型non-R&D型研究開発の実証的比較研究
Project/Area Number |
19K01906
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Research Institution | Kobe International University |
Principal Investigator |
滋野 英憲 神戸国際大学, 経済学部, 教授 (40206082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文能 照之 近畿大学, 経営学部, 教授 (30388491)
辻 正次 神戸国際大学, 経済学部, 教授 (90029918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イノベーション創出 / コロナ禍 / 耐性 / ICT / オープンイノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
イノバティブな中小企業の中でイノベーション創出がコロナ禍の影響を受けず従前どおりの実績を挙げている企業(コロナ禍以前とコロナ禍中でも実現したイノベーション創出に差異が認められない)が事業活動で実践している要因を明らかにし、パンデミック時への耐性を向上させるために中小企業に必要となる支援策を検討するため、全国のイノバティブな中小企業4000社を対象にインターネットによるアンケート調査を実施し、その結果が分析された。 その結果、コロナ禍がイノベーション創出への影響を減じている要因として、実現されたイノベーションレベルごとに異なるが、自社独自の技術を保有している,ICT活用による販売管理が実践されている(レベル1)、ナレッジマネジメントが実践されている (socialization,Externalization,Combination,Internlizationモデル)の実施(レベル2,4)、オープンイノベーションが継続されている(レベル2,4)、受注タイプでは系列以外の中小企業との取引きの継続(レベル3)による相違など、レベルごとに異なる耐性要因が確認されたが、やはりICTの活用レベルが高いことがコロナ禍のイノベーション創出への影響を減じていることが明らかにされた。日常の企業活動においてよりICTを有効活用していくためスキルの向上をサポートする仕組みが必要であることが示唆された。non-R&D型のイノバティブな中小企業おいてのイノベーション創出に重要な要因は、取引先との日常の交渉を通して製品やプロセスの改善につながるテーマを見出しそれに対応できる従業員のスキルや能力の向上のため外部からの指導者受け入れや外部の研修への参加を推進することにより実践していることが明らかにされた。また、オープンイノベーションを通して取引先への技術供与を行えるレベルの中小企業も認められた。
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