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2021 Fiscal Year Research-status Report

フランチャイズ研究の新たな視角-理論的研究のバックグラウンドの再検討-

Research Project

Project/Area Number 19K01976
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

川端 基夫  関西学院大学, 商学部, 教授 (60234118)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsフランチャイズ / 法人フランチャイジー / メガフランチャイジー / 地方企業
Outline of Annual Research Achievements

研究期間3年目にあたるは2021年度は、前年度に十分行えなかった法人フランチャイジーと本部企業へのヒヤリングや海外での法人フランチャイジングの現状の調査などを行う予定であったが、コロナ禍により引き続きこれらの調査は十分には進まなかった。しかし、例外的に研究上重要な2つの企業が面会でのヒヤリングに協力してくれた。具体的には「トップカルチャー」と「ハードオフコーポレーション」の2社であった。共に、新潟県に本社を置く地方企業でもある。
まず、「トップカルチャー」は映像レンタルのtsutayaと蔦屋書店を70店舗以上展開するtsutaya最大の法人フランチャイジーであるが、レンタル事業はネットレンタルの拡大によって業績が低下傾向であったことから、2021年にtsutaya本社とのレンタル事業に関する契約を解除し、独自事業への転換を模索している企業であった。法人フランチャイジーは本部のビジネスモデルを実施する存在であることから、このケースは極めて異例の出来事であった。そこで、このような法人フランチャイジーの経営行動の背景にある経営者の考え方について、創業者・会長から話を聞くことが出来た。法人フランチャイジーのあり方や本部との関係を考える上で、極めて重要な知見を得ることができた。
次に、「ハードオフコーポレーション」は、近年急拡大しているリユース(中古品売買)店をフランチャイズで全国に900店舗以上展開する本部企業であり、法人フランチャイジーのみと契約を行っている企業でもある。創業者・会長から法人フランチャイジーとの契約だけを行うことになった経緯や法人フランチャイジーと本部との関係性に関する貴重な話を聞くことが出来た。また、同社は海外進出も行っていることから、海外事業に関する知見も得ることができた。この海外進出事業については、社内の協力者と共著論文の形で論考を発表することが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究は、コロナの感染拡大によって、研究期間2年目の2020年度以降はヒヤリング調査が十分に実施できない状態が継続しているが、その間にそれまでの成果をまとめた単著『日本の法人フランチャイジー』(2021年3月、新評論刊)を出版することが出来た。この著書は、2022年3月に第46回中小企業研究奨励賞・経営部門本賞(商工総合研究所主催)を受賞しており、社会的な評価を得られた。
また、コロナ禍ではあったが2021年度には、メガフランチャイジー1社と法人フランチャイジングを行う本部企業1社へのヒヤリングも実施できた。とくに後者の本部企業については、社内に研究協力者を確保することが出来たことから、同社の海外事業の深い分析が可能となった。さらには、その研究を通じて国際マーケティングを専門とする研究者の協力も得られるようになったことも研究上、大きな成果であった。
このように、当初計画した多数の法人フランチャイジーや本部企業へのヒヤリングは進まなかったが、対象を絞った深いケース研究への道が開け、ケース論文も刊行できたことは、予想外の成果であった。さらには、著書『日本の法人フランチャイジー』がフランチャイズ業界(法人フランチャイジーの経営者やフランチャイズ専門のコンサルタント、弁護士などで構成)で注目を集め、実務家との交流の輪が広がったことも予期せぬ成果であった。
以上のことから、コロナ禍ではあるが「当初の計画以上に進展している」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、コロナ禍で中断している法人フランチャイジーのさらなる調査、海外での法人フランチャイジーの実情に関する調査、本部企業の調査を進めたい。本部企業の調査については、「ハードオフコーポレーション」のさらなる研究を行いたい。とくにその海外事業に関する分析を進める。なお、コロナ禍が今年度も続く場合は、ZOOMなどを駆使して調査(海外も含む)を行うことなども検討したい。
また、今年度は5月の日本商業学会全国大会での報告や7月のフランチャイズ研究会(中小企業診断協会東京支部)での報告や、『商工金融』誌上での論文執筆も予定しており、研究成果の公表をさらに積極的に行いたい。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由としては、コロナ禍により法人フランチャイジーや本部企業へのヒヤリング調査が進展しなかったことや、海外出張が出来なくなったことが挙げられる。
使用計画としては、国内の法人フランチャイジーや本部企業へのヒヤリング調査と、海外の法人フランチャイジングの実態調査、成果報告のための学会・研究会参加、などにかかる旅費などを予定している。また、研究期間中に出来たフランチャイズ業界のコンサルタントや弁護士などとの研究交流にかかる経費にも使用を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] リユース企業の海外進出における戦略的課題 : 「(株)ハードオフコーポレーション」を例に2021

    • Author(s)
      川端基夫、富山栄子、富桝満
    • Journal Title

      流通情報(流通経済研究所)

      Volume: 53巻4号 Pages: 52-64

URL: 

Published: 2022-12-28  

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