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2019 Fiscal Year Research-status Report

A Study of Integrated Reporting Model by Entrepreneurship Theory

Research Project

Project/Area Number 19K02019
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

小西 範幸  青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (80205434)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宇佐美 嘉弘  専修大学, 経営学部, 准教授 (60255966)
池本 正純  専修大学, その他部局等, 名誉教授 (80083608)
為房 牧  岐阜協立大学, 経営学部, 准教授 (70756593)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords統合報告 / 企業家の機能 / ステークホルダー論 / 会計主体論 / サステナビリティ会計 / マーシャルの経済学 / シュンペーターの企業家論 / テキストマイニング
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,ビジネスの世界での競争の内実を把握して,経済学にリアリティを回復させる意図を持った企業家論に立脚した上で,統合報告モデルの構築を行うことである。そこでは,企業家の機能をもつ経営者からの働きかけによって経済社会のサステナビリティが実現し,その働きかけの手段が統合報告だという着眼点の下,統合報告書のトップメッセージから企業家機能を抽出して統合報告書の検討を行うことにした。
理論的な考察として,シュンペーターの企業家論の限界を指摘し,それを乗り越える新たな企業家論の視点の必要性を明らかにした。そして,マーシャルの経済学の中にそのヒントがあることを示した上で,そこから得られる新しい企業家論の視点に立ってステークホルダー論とのつながりを探った。
実証的な考察として,サンプリングした日・英・米の企業の統合報告書について,テキストマイニングのKH Coderを用いたベイズ学習によって,トップメッセージからの企業家機能の抽出を行ってみた。その第1段階では,トップメッセージの全段落において,企業家機能について述べているか否かに関する教師アリデータを用いて自動分類を試みた。第2段階では,第1段階で(A)ビジネスモデル発案機能,(B)リスク負担機能,(C)組織管理機能のいずれかに分類した段落を用いて,「(A)に分類されるか否か」,「(B)に分類されるか否か」,「(C)に分類されるか否か」について,教師アリと教師ナシのデータを用いて自動分類を試みた。第3段階では,(A)あるいは(C)と分類した段落について「(D)プロモーター機能に分類されるか否か」,(A)あるいは(B)と分類した段落について「(E)組織デザイン機能に分類されるか否か」,(B)あるいは(C)と分類した段落について「(F)ガバナンス機能に分類されるか否か」について,教師アリと教師ナシのデータを用いて自動分類を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

統合報告書のトップメッセージからの企業家機能の抽出にテキストマイニングを活用することに当初は苦心したが,データサイエンスの研究者からの専門的知識の提供を受けたことによって,初年度に予定した通りの進捗度となっている。

Strategy for Future Research Activity

本研究の目的は,企業家論に立脚した上で,統合報告モデルの構築を行うことである。統合思考は,企業の短期,中期および長期の価値創造を包括的な観点から捉えた意思決定および行動の前提となる考え方であって,価値創造プロセスを監視・管理・伝達するためのマネジメント能力を示すことになり,換言すれば企業家機能を表すことにもなる。そのため,統合思考に基づく企業内外とのコミュニケーションのプロセスが統合報告であり,そのプロセスの結果の成果物として作成される統合報告書は,ステークホルダーにとって,企業のサステナビリティを評価する鍵となる。
その理論的な考察として,初年度において,シュンペーターに加えてマーシャルの経済学の中から得られる新しい企業家論の視点に立って,ステークホルダー論を検討してみた。そこで,次年度においては,企業家論に立脚した上で統合報告を考察するために,ステークホルダー論を介して,会計主体論の視点に立って,統合報告を検討してみることにする。
他方,実証的な考察として,(A)ビジネスモデル発案機能あるいは(C)組織管理機能と分類した段落について「(D)プロモーター機能に分類させるか否か」,(A)ビジネスモデル発案機能あるいは(B)リスク負担機能と分類した段落について「(E)組織デザイン機能に分類させるか否か」,(B)リスク負担機能あるいは(C)組織管理機能と分類した段落について「(F)ガバナンス機能に分類させるか否か」の自動分類を行った初年度の研究結果を用いて,その重要な特徴についての分析を進めることにする。その上で,日・英・米の統合報告書のトップメッセージから(A)~(F)の企業家機能を抽出して,各国の統合報告書における企業家機能の特徴を洗いだして,最終年度には,企業家機能に基づく統合報告書の類型化を試みることにする。

Causes of Carryover

研究2年目には,実証的な考察として,初年度に行ったテキストマイニングを用いたトップメッセージからの企業家機能の自動抽出システムを使用して,日・英・米の統合報告書の企業家機能の特徴を洗い出して類型化を試みるため,その作業実施のための専門的知識の提供と当該作業に関わる人件費などを計上する。
他方,理論的な考察として,企業家論に立脚した統合報告の考察を行うために,初年度に行った企業家論の視点に立ってのステークホルダー論の検討に呼応して,2年目には,ステークホルダー論を介して,会計主体論の視点に立って,統合報告の検討を試みる。その成果について,学会報告を行うための旅費と参加費などを計上する。
統合報告研究とサステナビリティ会計研究は密接な関係にあるため,これらの国際的な動向を掌握するために,ニューヨークとロンドンで12月に同時開催予定のサステナビリティ会計基準審議会(SASB)のシンポジウム等への出席のための旅費と参加費などを計上する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 2019

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 企業家論とステークホルダー論2020

    • Author(s)
      池本正純
    • Journal Title

      専修経営学論集 109号

      Volume: 109 Pages: 17-39

    • Open Access
  • [Journal Article] 会計・監査・ガバナンスの新展開2019

    • Author(s)
      小西範幸
    • Journal Title

      Aoyama Accounting Review

      Volume: 9 Pages: 4-5

    • Open Access
  • [Journal Article] 統合報告書公表の企業像とその非財務情報の特徴 -統合報告書の公表企業へのアンケート調査分析-2019

    • Author(s)
      小西範幸・宇佐美嘉弘
    • Journal Title

      経済経営研究

      Volume: 9巻2号 Pages: 25-110

    • Open Access
  • [Book] 現代会計の基礎と展開2019

    • Author(s)
      小西範幸・橋本尚
    • Total Pages
      503
    • Publisher
      同文舘出版
    • ISBN
      978-4495209810

URL: 

Published: 2021-01-27  

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