2021 Fiscal Year Research-status Report
家庭医・総合診療専門医のケアは何がどう違うのか?:質評価のための指標探索研究
Project/Area Number |
19K02077
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
葛西 龍樹 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80248228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅家 智史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60644135)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家庭医 / 総合診療専門医 / プライマリ・ヘルス・ケア / 専門性 / 指標 / 患者中心の医療の方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック(以下、コロナ禍)により国内外の移動が大きく制限され、本研究の実施にも少なからず影響が出た。 1年延期となった世界家庭医機構(WONCA)世界学術総会(アラブ首長国連邦、アブダビ)が2021年11月にオンラインで開催され、Plenary Lectureとして招聘され、今までの研究成果を踏まえて自然災害時の家庭医・総合診療専門医の役割についての考察を中心に講演した。 関連する研究の成果を財務省財務総合政策研究所が刊行する『フィナンシャル・レビュー』特集「過剰医療と過少医療の実態:財政への影響」に4本の論文として発表した。家庭医・総合診療医の専門性、役割、問題へのマネジメントなどについて、医学医療関係領域を越えた人たちと共有できたことは意義があると考えている。 2019年度、2020年度、および2021年度の研究活動の結果2021年度に出版された主要7論文(すべて査読有り)の主要テーマは、①コロナ禍での家庭医・総合診療専門医の役割、特にプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)と公衆衛生の連携、②家庭医・総合診療専門医指導医を対象にしたメンタルヘルスおよびコミュニケーション技法講習会の開発、③家庭医療・総合診療の日本の医学部学生実習への効果、④糖尿病健診における過剰・過少医療から考察する家庭医・総合診療専門医の役割、⑤家庭医・総合診療専門育成におけるEBM教育と患者中心の医療の方法、⑥地域医療機関の患者アウトカム評価の指標、⑦急性期病院の患者アウトカムのケーススタディ、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画されていた4つの研究活動、<先行研究・文献の詳細な検討><ケア場面の分析><世界のエキスパートとの検討><若手家庭医・総合診療専門医との検討>の中で、対面での情報収集に依存していた<ケア場面の分析>と<若手家庭医・総合診療専門医との検討>については、コロナ禍での移動制限のために実施が困難になっている。 <ケア場面の分析>については、家庭医・総合診療専門医による糖尿病患者の標準的な外来診療について検討する研究として進めているが、倫理委員会の承認を得るのに時間を要し、現時点ではコロナ禍の影響で研究参加者のリクルートが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で研究実施が困難になっている部分については、オンラインなどそれに代わる方法を用いることで研究活動を進めたい。今後のコロナ禍の状況にもよるが、感染予防に十分注意しつつ国際学会などでの情報収集も試みたい。特に、家庭医・総合診療専門医による糖尿病患者の標準的な外来診療について検討する研究では、モデル動画を作成し、Zoomミーティングでそれを共有して介入の標準化を図る試みが成功しつつあるので、研究をさらに推進できるものと期待している。
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Causes of Carryover |
2021年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック(以下、コロナ禍)により国内外の移動が大きく制限され、予定していた国内および国際学会への参加・研究発表、および対面での情報収集が実施できなかったため、特に旅費の未使用が多くなった。2022年度には何とか移動制限が緩和されることを期待している。その場合、感染防止に十分配慮して、国内・国際学会へ参加して研究活動の仕上げをする予定である。
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