2021 Fiscal Year Research-status Report
被差別部落からの転出者に対するインターネットを介した「新しい」差別に関する研究
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19K02079
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
齋藤 直子 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 特任准教授 (90599284)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被差別部落 / 転出者 / 全国部落調査復刻出版差し止め裁判 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナの感染拡大のため、昨年度につづき、調査が困難であったが、年度後半より、数件の聞き取りをおこなった。 また、以前、科学研究費助成事業(基盤研究(B))「「新たな社会問題」空間としての被差別部落と都市下層の再編過程の研究」(代表野口道彦)において、実態調査をおこなった大阪市内の地域の協力を得て、その地域からの転出者の調査をおこなうことができるようになった。今年度、後半に5件の聞き取りをおこなった。来年度も、この協力体制のもとに調査をすすめることが可能となった。この最初の成果を、2022年5月におこなわれる関西社会学会で報告するためにエントリーをおこなった。 齋藤直子2022「実態と判決のずれを考える : 社会調査と相談活動の経験から」『部落解放』第815号、解放出版社、pp.34-44では、全国部落調査復刻出版差し止め裁判において、判決でプライバシー権を認められた原告の範囲と、部落の転出者の実態が相当大きくずれていることを明らかにした。今後、この判決と転出者の実態とのずれについて、より学術的な考察を深めていく予定である。 そのほか、齋藤直子2022「結婚差別と『家』制度」『講座近現代の部落問題3 現代の部落問題』解放出版社、齋藤直子2021「交差性をときほぐすー部落差別と女性差別の交差とその変容過程ー」『ソシオロジ』第66巻1号、社会学研究会 pp.43-61、齋藤直子2021「100年前と、100年後を想像する」『部落解放』第807号、解放出版社、pp.78-81、その他を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大のため、対面での調査が難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、以前、科学研究費助成事業(基盤研究(B))「「新たな社会問題」空間としての被差別部落と都市下層の再編過程の研究」(代表野口道彦)において、実態調査をおこなった大阪市内の地域の協力を得て、その地域からの転出者の調査をおこなうことができるようになったため、まとまった調査をおこなう。 また、調査の約束はしていたが、新型コロナのために、実査が滞っていた件についても、調査を進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため、調査に遅れが生じたため。
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[Book] 現代の部落問題2022
Author(s)
朝治 武、黒川 みどり、内田 龍史
Total Pages
550
Publisher
解放出版社
ISBN
4759241302