2021 Fiscal Year Annual Research Report
医療のサービス産業化、女性医師増加の中医師の働き方の課題と改善策についての研究
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19K02088
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
久保 真人 同志社大学, 政策学部, 教授 (70205128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バーンアウト / 医師 / COVID-19 / 重点医療機関 / 日本版バーンアウト尺度 / ストレス / モチベーション / 医療体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間当初、「医療のサービス産業化、女性医師増加の中医師の働き方の課題と改善策についての研究」というテーマのもと、新たに問題となってきた医師のバーンアウトや女性医師の働き方の問題についての研究を進めてきたが、研究期間後半にコロナ感染症によるパンデミックが発生し、医療の職場環境は一変してしまった。その影響を受けて、2021年度はコロナ禍の医療現場、医師の労働環境に研究の焦点を変更せざるをえなかった。 東京都の小池知事は、2021年1月15日の記者会見で都立病院と都が出資する公社病院の内、都立広尾病院、公社の荏原病院、豊島病院の3つの病院をCOVID-19対応の「重点医療機関」とする発表を行った。都の決定を受け、これら3つの病院では、一般診療を制限し、COVID-19患者のための病床確保と治療を最優先する体制をとった。研究代表者を含めた研究グループは、その約1か月後に「重点医療機関」となった3病院の医師を対象に調査を実施した。 3つの病院に勤務する313人の医師のうち161人(51.4%)から回答を得た。日本版バーンアウト尺度の得点の平均値は、3つの下位尺度すべてにおいて2019年度に実施した神経内科医の得点の平均値よりも高い。特に差が大きかったのは個人的達成感の低下で、COVID-19重点医療機関に勤務する医師の達成感の低下が著しいことがわかった。 COVID-19の治療に携わることがストレスとなり消耗感の蓄積につながることは直感的に理解できるが、なぜ、モチベーションの指標でもある個人的達成感が大きく低下したのであろうか。その検討のために、調査票の自由記述の内容を分析した。生成的コーディングにより抽出された複数の概念とその関連性の分析から、これら3つの病院に勤務する医師のモチベーションが著しく低下した理由について検討をおこなった。
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Research Products
(4 results)