2021 Fiscal Year Research-status Report
Disaster Resilience and Public-Private Support Network during a Large Scale Disaster
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19K02096
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原口 弥生 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20375356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 直樹 筑波学院大学, 経営情報学部, 講師 (10725766) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 広域大規模災害 / レジリエンス / 福島原発事故 / 支援ネットワーク / 茨城県 / アーカイブ / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年一年かけて制作した茨城県内の広域避難支援の10年間の活動実績や支援体制のアーカイブ『歩みの軌跡 3.11広域避難を支えた茨城 10年の記録』を県内市町村をはじめ、関係機関に送付した。本アーカイブの発行後、各方面からの問い合わせも多く増刷を行った。 3年目となる2021年度は、上記のアーカイブ資料をもとに考察を進めた。当事者グループの多くは、新型コロナ禍の影響を受け、中止ないし回数を減らして交流会などの活動を行っていた。一部に、オンライン開催の交流会を開催し、コロナ禍で孤立感が高まるなかで貴重な交流の機会となり孤独防止の効果をもたらしていた団体もあった。 震災・原発事故から10年以上が経過し、避難先での生活が安定している状況でも当事者同士の交流の場は強く求められており、超長期的な広域避難支援の体制を、当事者を主体として避難先で構築していく必要性が指摘できる。また、多様な理由により代表者不在となり、活動の停滞や中止に追い込まれる団体も散見されつつあることが課題として指摘でき、個人への支援に加え当事者グループ支援の視点を強化してく必要がある。 避難者の住宅問題については、地方である茨城では首都圏などに比べ大きな問題とはなっていないが、個別には複合的な課題をもつ当事者もおり、複数の支援アプローチと支援団体のネットワークにより柔軟に対応していることが確認できた。 多様な避難者の状況、そして支援体制と課題について、12月に茨城大学図書館の公開講座にて報告を行った。160名の参加があり、質疑応答を含め、社会還元を行うことができた。 研究業績としては、雑誌論文3本(英語1、査読有2)、書評論文1本、報告論文1本を発表した。また学会報告1本、自治体議員向けの講演1本を行い、マスコミ報道は、茨城新聞、読売新聞、東京新聞、河北新報、下野新聞など9件あり、研究成果を社会に発信することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アーカイブ制作後、さらに分析を含めて政策提言を行う予定であり、研究を進めている。一部成果は論文として発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中には、多様な状況に置かれた当事者、ならびに地域資源の活用度合いによって異なる支援体制を視野に入れた政策提言を論文として発表する予定である。国内各地の広域避難支援の拠点を訪問するため、研究費は主に旅費、謝金として執行予定である。来年度に予定されている国際社会学会での発表にエントリーして、研究成果の国際的発信を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍の影響により旅費を活用することができず研究計画に変更が生じた。次年度は調査研究も柔軟に行えるような環境になりつつあるので、使用については問題ないと考えている。
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Research Products
(7 results)