2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K02118
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
番匠 健一 広島国際学院大学, 情報デザイン学部, 准教授 (50770252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 光明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80718346)
中島 弘二 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90217703)
松田 ヒロ子 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (90708489)
大村 順子 (兼清順子) 立命館大学, 国際平和ミュージアムオフィス, 職員 (90773987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 「軍事化」 / 地域社会 / 自衛隊 / 演習場 / 民生活動 / オーラルヒストリー / 日出生台 / 矢臼別 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、変わりつつある「自衛隊」の存在から地域社会と軍隊の関係性を歴史的にたどりなおし、「軍事」や「暴力」として捉えられにくいすそ野の広い領域を「軍事化」として考えることである。自衛隊基地については祭事や婚活など地域社会との「親密な」関係について研究が蓄積されているが、演習場については「騒音」にとどまらない実弾演習の暴力を近隣住民が感知している。これまでの研究で日出生台と矢臼別の両演習場は、SACO合意による県道104号線越え実弾砲兵射撃訓練の本土移転先であり、地域と自衛隊が取り結んできた関係性が「日米一体化」のなかでどのように変化するのかを分析するため重要で あることが確認できた。 本年度は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、予定していた日出生台演習場(大分県)、矢臼別演習場(北海道)の近隣地域における共同調査は実施できなかったが、各分担者が独自に調査地に入り地域住民との関係性の構築につとめた。今年度は研究会のメンバーがそれぞれこれまで収集してきた資料の整理を集中的に行い、それぞれの担当地域について研究を進めた。 また自衛隊研究に関する研究者ネットワーク構築のため、立命館大学国際平和ミュージアムの研究プロジェクト(自衛隊基地の地域社会史)と共催で公開研究会をオンラインで開催し、意見交換などで知見を深めることができた。「軍事化」を広くとらえることに関わる理論的な蓄積を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの拡大によって聞き取り調査が実施できなかったため全体的に計画が遅れている。対象地域に入る調査ではなく、これまでの聞き取り調査や、文書資料に基づく方法へと、研究の方向性を変えつつ進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、オンラインでの研究会の開催や、各分担者による研究成果公開に向けて共同研究会を行う。とりわけ立命館大学国際平和ミュージアムの研究紀要に本科研研究会の特集を組む予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により実施できなかった調査のため、助成金に余剰が生じた。本助成の1年間の延長により、次年度の調査研究にあてることにより、本研究プロジェクトの完遂を目指す。
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