2020 Fiscal Year Research-status Report
介護職員におけるバーンアウト傾向の規定要因とその対処方策に関する研究
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19K02192
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Research Institution | Asahikawa University |
Principal Investigator |
栗田 克実 旭川大学, 保健福祉学部, 准教授 (30530109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 介護労働 / ストレス / バーンアウト / 離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護職を分析対象とし、業務上で感じるストレスとそのコーピング、ストレスによって引き起こされるバーンアウトとその規定要因について、社会調査の手法を用いて明らかにし、ストレスの軽減及びバーンアウトの予防に有効な施策を検討することを目的としている。 研究2年目となる今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、4月中旬~5月まで緊急事態宣言が発出されるなど、研究開始段階においては想定していない事態に遭遇し、研究活動に大きな制約が生じることとなった。特に、3年目の実施に向けて既に着手していた調査の準備についてほとんど進めることができなかった。 しかし、前年度から取り組んでいる先行研究および調査の知見を整理したものについて、紀要に掲載することができた。 近年の調査研究を俯瞰すると、介護職のバーンアウトは、業務の負担と職務満足度に因るところが大きいと考えられているが、雇用管理における取り組みの程度に加えて、同居家族からのサポート有無や職場内の人的ネットワークの構築有無も影響を及ぼしていることが明らかにされてきた一方で、複雑多様化するサービス内容や保有資格・経験年数、給与等雇用条件・福利厚生、職務継続意志、生活時間(リズム)などによる影響については十分に論及されているとはいえないところもあり、介護職のみならず管理者に対する発展的な調査も行い、介護職のバーンアウト予防及び職場定着が促進されるための要因を探っていく必要がある。 また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた現場の変容について、医師・看護師等の医療職を対象にしたバーンアウトのリスクや関連要因に焦点を当てて明らかにしようとする研究が既に始まっており、介護職におけるバーンアウト徴候との関連についても、今後の研究で明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度から次年度にかけて量的調査を実施することを計画していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、想定していない業務量に追われることになり、本研究に事前に計画していた時間を割くことができず、初年度の研究蓄積を活字化するのみに留まってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、本稿入力時点においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるパンデミック状態が続いており、本研究の拠点は緊急事態宣言の対象地域となっている。そのため、調査の実施については難航が予測される。計画の変更がどの程度可能であるか、また、どのような代替方策が考えられるのかについて検討している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、調査実施関連の費用について執行できなかったことによる。これらについては調査実施を予定している次年度の助成金とあわせて執行する。
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