2021 Fiscal Year Research-status Report
介護職員におけるバーンアウト傾向の規定要因とその対処方策に関する研究
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19K02192
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Research Institution | Asahikawa University |
Principal Investigator |
栗田 克実 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (30530109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バーンアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護職を分析対象とし、業務上で感じるストレスとそのコーピング、蓄積したストレスの帰結として引き起こされるバーンアウトとその規定要因について明らかにし、ストレスの軽減及びバーンアウトの予防に有効な施策を検討することを目的としている。 研究初年度末から流行した新型コロナウイルスの影響により、当初の変更を余儀なくされているが、今年度までに実施した文献研究では、介護職のバーンアウトは、業務負担感と職務満足度に起因するところが大きく、雇用管理の程度に加えて、同居家族からのサポートや職場内の人的ネットワーク・コミュニケーション関係の有無も影響を及ぼしていることが明らかにされてきた。 特に、近年の研究を俯瞰してみると、人員不足・連携不足を背景に、介護専門職個人が有するスキルをはるかに超えるような職務を与えられるケースがあり、遂行上の課題を相談できない労働環境であった場合には、自らの評価を下げ、バーンアウトにつながり、職務継続を困難にしている可能性が示唆された。 今年度も、研究活動が大幅に制限されたが、既に入手した先行研究および関連調査(令和3年7月に公表された介護福祉士等の「就労状況調査」((公財)社会福祉振興・試験センター))の分析を丁寧に行うことに加え、看護職におけるバーンアウト研究に関する文献調査を実施した。これらの研究を踏まえて、年度末までに、①基本属性、②ストレス、③ストレスコーピング、④バーンアウト徴候、⑤職場内における雇用管理施策、⑥その他(新型コロナウイルスの影響など)からなる質問紙調査の調査票を設計することができた。 研究開始当初は、新型コロナウイルスはまだ存在していなかったため、本調査では新型コロナウイルスによる業務への影響についても尋ね、他の要因との関連を見ることにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響で、研究に遅れが生じている。2021年度は本研究においても、感染リスクを回避するために、資料収集とその分析などに終始することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を申請し承認を得たことから、次年度に質問紙調査を実施する。本稿入力時点では、新型コロナウイルスの終息は見込めないことから、質問紙調査の分析ののち、オンラインでのヒアリングを計画している。
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Causes of Carryover |
2020年度及び2021年度に予定していた介護職員に対する調査の費用が執行できなかったことによる。研究期間を1年延長することとなり、2022年度に調査費用として全額執行する。
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