2023 Fiscal Year Annual Research Report
介護職員におけるバーンアウト傾向の規定要因とその対処方策に関する研究
Project/Area Number |
19K02192
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Research Institution | Asahikawa City University |
Principal Investigator |
栗田 克実 旭川市立大学, 保健福祉学部, 教授 (30530109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バーンアウト / ストレス / 自尊感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護労働者を分析対象として、業務上で感じるストレスによって引き起こされるバーンアウトとその規定要因、そしてその対処方策について明らかにするために、国内の介護施設における介護労働者400名を対象に、ウェブ調査の手法を用いた横断研究を実施した。 調査では、基本属性、職務の状況、自尊感情(10問)、ストレス負荷(32問)、ストレスコーピング(23問)、職場の雇用管理と取り組み希望、バーンアウト徴候(Maslach Burnout Inventoryの使用)、そしてコロナ禍下における業務負担感についてもたずねた。これらのうち、自尊感情、ストレス負荷、職場の雇用管理については因子分析を行い、それぞれ1因子、5因子、3因子を抽出した。 まず、回答者のバーンアウト得点について把握したうえで、MBIの下位尺度である「情緒的消耗感」「脱人格化」「個人的達成感(の低下)」を従属変数に、また、性別、年齢、配偶者の有無、職務の状況、介護福祉士資格の有無、上述した自尊感情、ストレス負荷、職場の雇用管理各因子などを独立変数にした重回帰分析を行い、バーンアウトの下位尺度得点の影響度について確認した。 分析の結果、①情緒的消耗感は、「一般職」、「職場や上司との関係」・「入居者との関係」・「雇用条件」にストレスを感じている者で高く、「自尊感情の高い」者は低い傾向が認められた。また、②脱人格化は、「職場や上司との関係」・「入居者との関係」にストレスを感じている者で高く、「年齢の高い」者、「自尊感情の高い」者、「介護福祉士有資格者」は低い傾向が認められた。そして、③個人的達成感(の低下)は、「現職場の勤務年数の長い」者では低く、「自尊感情の高い」者、「仕事上の課題について上司と相談する機会が設けられている」者は高い傾向が認められ、バーンアウトの下位尺度すべてにおいて、自尊感情が有意に影響を与えていた。
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