2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02228
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
倉持 史朗 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70411056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 小の実 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20331770)
陳 礼美 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40510160)
蜂谷 俊隆 美作大学, 生活科学部, 准教授 (50351705)
元村 智明 金城大学, 社会福祉学部, 講師 (60340022)
室田 保夫 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (90131614)
高岡 裕之 関西学院大学, 文学部, 教授 (90305491)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 博愛社 / 博愛社普通学校 / 林歌子 / 大阪婦人ホーム / 方面委員制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の博愛社所蔵資料の保存・整理作業や研究実績などは以下の通りである. 本研究プロジェクトの拠点は大阪市内にある社会福祉法人博愛社である.同施設は特別養護老人ホームや児童養護施設,障害児者施設等を同じ敷地内で運営し,そこでは日々たくさんの利用者と職員が生活を共にする場でもある.したがって,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が収束が見えない中,研究活動を理由に同施設内に立ち入り,そこで生活する利用者の健康を脅かすことは厳に慎まねばならない. 以上のような条件下において,同施設内において所蔵資料を整理・保存作業を行いつつそれらを分析・活用して進める本プロジェクトを進めることは困難を極めた.しかし,これまでの科研費助成によって貴重資料のデジタル化を進めていたこともあり,それらを活用した研究を重点的に実施することは可能であった.具体的には博愛社の教育機関設立の経緯と初期の教育内容を明らかにしたこと.博愛社職員によるキリスト教女性保護活動について詳細を明らかにしたこと.戦前・戦中期の大阪社会事業(福祉)の取り組みについての研究が深化した. また,懸案であった博愛社の機関誌(博愛雑誌/博愛月報など)の目録作成を一通り作成することができた.21年度の前半期で点検作業を行い,データベースの運用,目録集の発行を予定している.これによりこれまで分析対象として活用することが難しかった機関誌を活用した研究業績が見込まれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先述のように本研究プロジェクトの拠点は大阪本研究プロジェクトの拠点は大阪市内にある社会福祉法人博愛社である.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が収束が見えない中,社会福祉学を専門とする研究チームが同施設に立ち入り利用者の脅威になるような行動はとることができない.反面,本研究プロジェクトは同施設の貴重資料を整理・保存とデジタル化した上で,貴重資料を分析するという研究プロセスを採る.したがって現況において研究プロジェクトを当初の予定通り進行することは大変難しい.
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Strategy for Future Research Activity |
博愛社所蔵資料の整理・保存・デジタル化作業は2020年1月以降滞っており,プロジェクト期間の延長は不可欠である(1年間の延長を見込んでいる).ただし,これまでの科研費助成によってデジタル化した貴重資料の活用と上記のように機関誌を活用した研究を進めていくことはできるため,各研究メンバーがそえぞれの担当領域において研究実績を積み上げていくことについては不可能ではないと考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の感染拡大・流行をうけて,研究拠点である大阪市の社会福祉法人・博愛社に研究メンバーが立ち入ることができず,貴重資料の整理・保存,史料のデジタル化作業が実施できないため助成金の未執行が生じた.今後,同地域の感染者状況と博愛社の職員・利用者等の状況によっては先述の作業を進めていきたいと考えている.
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