2019 Fiscal Year Research-status Report
人口減少社会における子ども・若者の包括的支援と地域再生に向けた公私連携・協働
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19K02239
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小沢 修司 京都府立大学, 公共政策学部, 研究員 (80152479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 秀紀 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (10631442)
中島 正雄 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (30180293)
上掛 利博 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (30194963)
田所 祐史 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (40772140)
佐藤 千恵 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60440575)
朝田 佳尚 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60642113)
山口 敬子 京都府立大学, 公共政策学部, 講師 (60772176)
服部 敬子 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (70324275)
吉岡 真佐樹 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (80174895)
長谷川 豊 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90254317)
下村 誠 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90387332)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども支援 / 包括的支援 / 公私連携・協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少社会にあって、子ども・若者の包括的な支援の重要性と直面する課題を学際的、総合的に検討し、求められる効果的な行政制度・組織や具体的な支援施策、重層的な公私連携・協働のあり方を提案することが研究目的である。 研究方法としては、先進事例・自治体等の訪問・ヒアリング調査、ならびに地域内の公私連携・協働実践を調査するものである。実施計画に従って奈義町(岡山県)、福知山市(京都府)の調査を実施するとともに、京都府長岡京市において、関係者とともに「こどもの支援に関する連携会議」を開催し支援組織間の連携・協働のあり方を模索した。 奈義町は岡山県の北東に位置し人口6000人ほどの小規模自治体であるが、子ども支援施策を積極的に打ち出し2014年には合計特殊出生率2.81を記録した。調査からは、手厚い子育て支援策や若い世代が定住し続けられる住宅施策とともに、町直営の子育て等支援施設「なぎチャイルドホーム」が移住後の家族に対し大きな「安心感」をもたらし、そして「一般社団法人奈義しごとえん」が地域内の働きたい人と地域のニーズを結びつける雇用創出に貢献していることが確認できた。 京都府福知山市は、合計特殊出生率が1.96(2008~12年)と府内自治体でトップ(全国的にも上位)である。京都府の中丹地域に位置し、交通の要所として長田野工業団地など就業機会にも恵まれた「田舎ぐらしでも通勤圏」をうたい「ほどよい都会、ほどよい田舎」としての生活環境のメリットを生かした取り組みを行っている。NPO法人おひさまと風の子サロン(市から地域子育て支援ひろば事業を受託)は「子育てコンシェルジュ」を中心として、対象のニーズ等に合わせたきめ細やかな取り組みを展開している。 3月には福井県福井市、鯖江市の調査を予定していたが、COVID-19の感染拡大が進むなか調査自粛を求められたため調査ができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大が進むなか、3月に予定していた福井県福井市、鯖江市での調査が実施できなかったためである。 地域における公私連携・協働実践モデルの形成について、概要に記したことをもう少し詳述すると、2020年2月3日、長岡京市において、市社会福祉課、市社協、母子会、市SSWとともに、「こどもの支援に関する連携会議」を開催し、市内の子ども支援ネットワーク構築に向けたマップづくり等で意見交換するなど、支援組織間の連携・協働のあり方を実践的に検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度においては、2019年度に引き続いて先進事例・自治体等の訪問・ヒアリング調査、ならびに地域内の公私連携・協働実践を調査するとしており、南風原町・名護市(沖縄県)、明石市(兵庫県)、加えて2019年度には実施できなかった福井市、鯖江市(福井県)が対象となるが、COVID-19の感染拡大状況を鑑み、我々の調査方法の特長である、多様な専門領域の研究者で構成される共同研究チームが現地に赴いてヒアリングを実施することが難しくなることも予想される。 そこで、当初の予定通りに調査を行うことに支障が生じたときには、現地とは綿密に連絡を取り合う中で、共同研究チーム全員ではなく少数が現地に赴いて調査を行い、Web会議方式で補足するなど、調査方法の工夫を行うこととしたい。幸い、調査を予定している南風原町(沖縄県)、明石市(兵庫県)については、ほぼ同じチームで共同研究を行なった科研費・基盤研究(C)課題番号16K04159「『子どもの貧困』問題解決にむけた包括的支援と地域再生における公私連携・協働」(2016~2019年度)において現地調査を行い、人脈が得られているところである。こうしたネットワークを活用しながら、現下の状況での地域調査の困難を乗り越える工夫を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況で記したように、COVID-19の影響により予定していた福井県福井市ならびに鯖江市の訪問調査が実施できなかったこと、および同じ理由により関係する補足調査が実施できなかったことにより次年度使用額が生じた。 次年度使用額と当該年度に請求する助成金を合わせた使用計画については、次の通りとする。 本研究の研究者らが主に所属している公共政策学部に次年度より新たに赴任する社会福祉領域の研究者に研究分担者に加わっていただく(研究分担者変更承認は別途申請)ことにより研究体制の充実を図る(研究に要する直接経費の配分を行う)。「今後の研究の推進方策」で記したように、COVID-19の影響で共同研究チーム全員での訪問地域調査が困難になった時の対応として、少人数が現地に赴いて調査を行う方式とWeb会議方式を組み合わせた調査方法の工夫を検討するが、充実した新たな共同研究体制の力を活用してキメの細かい調査を実施する。
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Research Products
(16 results)