2021 Fiscal Year Research-status Report
女性労働者の食事環境構築に向けた昼食環境整備に関する研究
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19K02304
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
丸山 智美 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (50410600)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性 / 労働者 / 勤労者 / 食事環境 / 食事管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度にはベースライン調査から抽出した二法人の調査対象者から、女性、事務職、年齢と体位等がマッチさせた短期大学卒業以上の学歴を有する、生活習慣病を含む代謝性の基礎疾患の病歴を有しない者31名を抽出し、昼食に管理栄養士が定めた基準で調整した弁当を約5か月間、延べ93日間喫食してもらった。ベースライン調査で調査対象者の食事摂取頻度調査には「食塩摂取量の過剰」「野菜摂取量の不足」「栄養素バランス(たんぱく質、脂質、炭水化物)の偏り」という食事摂取量上の改善点を見出したため、この3点を食事内容改善重点指導項目として、それぞれ30ページからなる食事指導媒体のリーフレットを作成し、一日一ページを読んだ後に弁当を喫食してもらうこととした。食事教育前後で同じ調査を行い、弁当とリーフレットを指導媒体とした食事教育の効果を検証した。食事調査には簡易型自記式食事歴法質問表(BDHQ)を用いた。食生活習慣では「食塩をとりすぎないように気をつけていますか」の問いに五択の回答をトランスセオティカル・モデルの段階とみなし、無関心期から準備期と回答した者を非実行群(21人)、実行期、維持期を実行群(9人)とした。群間にエネルギー及び栄養素摂取量に有意な差はなかったが、実行群では漬物、低脂肪乳、海草の摂取量が有意に低かった。食塩摂取に関する行動変容実行群は、漬物の摂取量が少ない食習慣を有しており、漬物を食べ控えることで食塩を摂りすぎていないと認識していることが推察された。 令和3年度には、退職による研究脱落が1名あったが、調査対象者30名が研究3年目まで継続できている。また令和2年度および3年度には、弁当を製造する企業に対する献立作成のアドバイスを各年度で10回以上実施した。弁当製造企業に対する指導を継続的に行うことは弁当の質を担保するために重要であるため、今後も継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の公表を予定していた国際学会は、複数の学術総会や国際会議が令和2年度に引き続いて延期や中止となった。そのため中間評価の公表に若干の遅れはあるが、研究そのものはおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
二次ベースライン調査の評価を行い、その成果を国際学会および学術雑誌で公表する。本研究で得られた結果を社会に還元するために、女性労働者の割合が多い事業所での講演を令和4年度後半に予定している。
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Causes of Carryover |
成果公表を計画していたAsian Regional Association for Home Economics (ARAHE) The 21st Biennial International Congress 2021(2021年8月17日~20日、マレーシア、クアラルンプール)が開催中止となったため、参加費と旅費を繰り越すこととなった。令和2年度に開催中止となった17th World Congress on Menopauseが令和4年度にポルトガルで開催されることが決定したので成果を公表するための参加費と旅費に充当する予定である。
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Research Products
(10 results)