2022 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における高齢者の認知機能維持を目的とした社会生活構造の解明
Project/Area Number |
19K02335
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 智子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70413490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 さゆり 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (10809338)
大森 眞澄 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20437552)
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
祝原 あゆみ 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (50533824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中山間地域 / 高齢者 / 認知機能 / 社会生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
地縁的な社会とのつながりが比較的残っているという特徴をもつ中山間地域の暮らしの中の社会関係性に着眼し,本研究は,高齢者のどのような社会生活の様相(社会生活意識・社会とのつながり・人との関係等)が認知機能によい影響を与えるのか,その構造を明らかにすることを目的として4年間取り組んだ。1年目は先行研究の整理を行い、2年目から3年目はA市の中山間地域に暮らす認知機能が健常な65歳以上の高齢者10名を対象とした個別電話インタビューによる質的記述的研究を行い、〔健康に良いことを習慣にしている〕〔頭や身体を使っている〕〔ゆっくりとおだやかに生活する〕〔日々の暮らしに信条がある〕〔老いを自覚しながらできることをする〕〔自分が充実していると思えることを自分をコントロールして行っている〕〔田舎でも住みやすいと思っている〕〔田舎で暮らし続ける覚悟をしている〕〔農業のある暮らしからの恩恵を受けている〕〔生命ある植物・動物の世話をしている〕〔人との交流を続けている〕〔周囲の人を大切に行動している〕〔誰かの世話という役割をもっている〕〔家族と心理的な繋がりがある〕〔地域の人や家族に頼られ頼ってる〕〔仲間と社会参加をしている〕のカテゴリを生成した。このことから中山間地域に暮らす高齢者の認知機能維持を助ける社会生活の様相は、高齢期の心身機能の衰えを受容し、健康管理や自己コントロールをしながら自然豊かな環境の中で、人との助け合いに価値を見出し、人との交流や運動、農業が行われることであることが推察された。最終年度は、本研究の論文投稿を行った。(保健の科学2023年6月号掲載予定) その後、上記の研究結果として導き出されたカテゴリから、認知機能調査とセットで行うことで、認知機能の維持に寄与する社会生活を明らかにすることを目的とした質問紙作成について検討を開始している。
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Research Products
(2 results)