2021 Fiscal Year Research-status Report
照葉樹林帯の生活科学-ミャンマー山岳地域チン州における資源利用特性と植生の関係-
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19K02349
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
朝比奈 はるか 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30599197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 美貴代 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任准教授 (80771188)
藤野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70282431)
藤川 和美 公益財団法人高知県牧野記念財団, その他部局等, 研究員 (60373536)
都甲 由紀子 大分大学, 教育学部, 准教授 (40586195)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活様式 / 照葉樹林文化 / 植生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度から続くCOVID-19と2021年2月に起こったミャンマーの政変の影響を受けて、海外調査に行くことができないばかりか、ミャンマーの研究者とのコンタクトも難しい状況になり、ミャンマーでの現地調査を断念せざるをえなかった。そこで、英国の博物館に保存されているミャンマーの植物標本を調査し、その結果に基づき作成した植物リストから、ミャンマー チン州の植生を推定するという研究手法に切り替えようと計画したが、これも長引くCOVID-19の影響で実現が難しくなった。
そこで2019年度の春(乾季)と秋(雨季から乾季への移行期)に実施した、チン州の焼畑地での植生調査で出現した植物種の写真同定をすすめた。日本国内の植物園に保存されているミャンマーの植物標本と、現地で撮影した写真をもとに、日本でミャンマーの植物を研究している分類学者と連携しながら作業を進めた。写真同定という制約はあったが、植被率の低い植物を除いた、主要な植物種を同定することができた。また、侵略的外来種の影響などのデータも収集され、その成果を2021年9月4日にオンライン開催された 第31回 日本景観生態学会で発表した。また、6月26日~27日にオンライン開催された日本フードシステム学会大会において、ミャンマーチン州における食文化調査結果を報告した。さらに、9月24日に開催された第24回 応用生体工学会においてミャンマーのABSを中心に、環境政策とその現状について発表した。また、12月4日には大分大学において開催された「染色と刺繍を体験してアジアの民族衣装を知りましょう!」というオンラインイベントで、ミャンマーの民族衣装の着装についての紹介と「照葉樹林文化圏のフィールド調査と広域研究」についての講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度から続くCOVID-19と2021年2月に起こったミャンマーの政変の影響を受けて、海外調査にも行くことができないばかりか、ミャンマーの研究者とのコンタクトも難しい状況になったため、英国に保存されている古いミャンマーの植物標本データの情報を収集することも計画したが、やはりCOVID-19の影響は続いて実現不可能であった。そこで、国内にあるミャンマーの植物標本と現地で撮影した写真をもとに、植物の同定を進めた結果、主要な植物種の同定が終了し、ミャンマーチン州の焼畑地の植生を把握することができた。また、2019年度までに行った現地での焼畑についての聞き取りと、植生の解析を合わせて、ミャンマーの焼畑の将来像を予想するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年2月に起こったミャンマーの政変の影響で、これまで続けてきたチン州での調査を継続することは困難である。また、英国での調査もCOVID-19の影響で実施は不透明である。これまで蓄積してきたデータを整理・解析し、さらに文献調査の結果も加えて、ミャンマーチン州における焼畑の特性を明らかにする。また、ミャンマーの染色や食文化についても引き続き文献調査を続けていく予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度もCOVID-19の影響で海外調査が行えなかったため残金が生じた。今年度も海外調査は難しいと考えられるため、国内の博物館や資料館、文献調査などでデータを収集するとともに、これまで収集してきた現地のデータや資料を整理・解析して、論文などとして公表していくことを目指す。
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Research Products
(3 results)