2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical studies on effective school lawyer: Toward co-operation with mediator
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19K02410
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
松原 信継 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (30593545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スクールロイヤー / スクールロイヤーの活動に関わる調査 / 顧問弁護士 / チーム学校 / 学校の法化 / 子どもの最善の利益 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「中教審」答申等の中で、学校現場へのスクールロイヤー(以下、SLと称する)の導入が提案されたことを受け、この問題に関して先行する米国の現状を参考に、わが国において最も効果的なSLの在り方を探究するとともに、米国で活躍する教育メディエーターに注目し、これをSLを連携させる、教育紛争解決の日本型モデルを提示することにある。そのため、2019年度においては、日本で進行するSL(制度)の実態を把握することを目的として、愛知県弁護士会子どもの権利委員会副委員長の間宮静香氏のご協力を得て、同氏と連名で、現在、SLを導入している全国の自治体(教育委員会)、学校、SL担当者の三者に対して質問紙によるアンケート調査(「スクールロイヤーの活動に関わる調査」)を実施した。同調査で、特に明らかにしたかったことは以下の諸点であった。 ① SLは従来の教育委員会等の顧問弁護士とは何が異なるのか。② SLは“チーム学校政策の一つ”として打ち出されたが、SLは学校におけるチームの一員となり得るのか。③ 左に関し、SLは、教育委員会ではなく、学校を基盤に据えた活動となり得ているのか。④ SLの業務はどこまでを守備範囲としているのか、調停等まで含むのか。④ SLの導入により、米国のような学校の「法化」が進んでいくのか。⑤ 学校や教員への支援を主たる業務とするSLが、果たして子どもの「最善の利益」を実現する存在となり得るのか。 同調査は、実施時期がちょうど新型コロナウイルス感染症の拡大時期と重なり、十分な回答数とはならなかったが、得られた回答結果からはいくつかの重要な事実が明らかとなった。これについては、2020年7月に開催される日本教育政策学会第27回大会の自由研究発表で、報告者と前述の間宮氏、そして、もう一人の研究協力者である伊藤健治氏(東海学園大学)の三人で報告することになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の研究の柱は、国内の各自治体で取り組まれているスクールロイヤー制度の現状および実態把握にあったので、質問紙によるアンケート調査の実施によって調査対象者から意味のある回答結果が得られたことで、その目的はおおむね達成することができたと言える。一方、調査結果の分析についてはやや遅れており、不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究の中心は、米国における聴き取り調査とその結果を踏まえたスクールロイヤーに関わる日米の制度比較である。訪問先はカリフォルニア州を予定している。その理由は、同州が全米のなかで最もメディエーションが盛んな州であり、スクールロイヤー(education lawyerないしeducation attorney)と教育メディエーター(education mediator)の連携・協働の先進事例が把握できると思われるからである。 訪問先としてほぼ確定しているのは、①CA州内の教育委員会に関わる弁護士団体の役員、②CA州内で活動するスクールロイヤー(education attorney)、③CA州内のPTA団体の役員ないし親支援(アドボカシー)のNPO、④CA州内の教育メディエーター、⑤CA州内の小学校ないし中学校、である。 時期は今のところ10月初旬を予定しているが、同国は日本以上にコロナウィルスの感染防止のための規制が厳しく(特に学校)、今後、訪問が先延ばしになったり、訪問先の変更が余儀なくされる可能性も否定できない。
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Causes of Carryover |
2019年度の支出予定の主たる部分は質問紙による全国アンケート調査の実施(送付・回収・集計)に関わる費用であったが、実施プロセスのなかで、調査対象者(自治体・学校・弁護士)とのきめ細かなやり取りの必要性を実感し、アンケートの実施方法を電話とメールに切り替えた。その分、送付・回収・集計関係費が減額している。加えて、送付作業のみならず、集計作業についても、アルバイトを雇わず、自ら手作業で行ったため、それらの分が未使用額となった。 本研究は米国を参考にした「効果のあるスクールロイヤーに関する研究」であることから、2020年度は、研究協力者である日本の弁護士を伴ったアメリカ調査(少なくとも5か所の訪問)を予定しており、2019年度の未使用分は当該計画の遂行のために使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)