2023 Fiscal Year Annual Research Report
明治期から昭和初期の学校教育における「修養」と「教養」に関する基盤的研究
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19K02457
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 智哉 國學院大學, 文学部, 教授 (80570481)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 修養 / 修行 / 錬成 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、前年度までの研究で明らかになったことを踏まえ、近代日本における「修養」と「修行」の関係を明らかにするために次のことを行った。曹洞宗ならびに浄土真宗の文献収集と読み込み、近代日本における仏教思想の展開等に関する文献収集と読み込みである。他方で、明治時代の教育における「修養」に関しても研究を進める必要があることから、令和5年度から教育学者の谷本富の文献収集と読み込みを開始した。 また、教育基本法第九条(教員)第一項に「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」、続く第二項に「前項の教員については(中略)養成と研修の充実が図られなければならない」とあることから、多くの先行研究で「研修」が「研究」と「修養」の合成語だとされていることを検証した。國學院大學図書館が所蔵する明治時代以降の辞典を悉皆調査したところ「研修」の初出は『大日本国語辞典』(大正五年)であり、「学芸などをみがき修むること。研究。」となっており、「研究」と「修養」の合成語ではないことを明らかにし、『國學院雑誌』(第124巻第12号、2023年12月)に発表した。 本科研期間にコロナ禍が直撃して史料調査等ができず、途中から文献研究に変更して期間延長を行った。予定通りに進められなかったため、「修養」と「教養」の関係まで明らかにできなかった。しかし、蘆田惠之助を中心に検討することによって、特に1920年代以降に「修養」「修行」「錬成」が密接な関係があるかのように語られる文献を多数発見できたことは、大きな収穫と言える。そして、本科研において見出された新たな課題が、令和6年度より「1920年代から1940年代前半の学校教育における『修養』と『錬成』に関する基盤的研究」(基盤研究C)として採択されたことも、本科研の成果だと考えられる。
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