2023 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ総合大学における学校教員養成組織・機構の再編成とその課題
Project/Area Number |
19K02481
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
吉岡 真佐樹 京都府立大学, 公共政策学部, 研究員 (80174895)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 教師教育 / ドイツ教員養成 / 教師教育センター / 教育学院 / 教職課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次の4大学の教員養成センターの活動を中心に現地調査を行った。①ボーフム大学(ノルトライン・ヴェストファーレン州)、②ミュンスター大学(同)、③ベルリン自由大学(ベルリン州)、④ポツダム大学(ブランデンブルク州)である。それぞれ事務局長ほかの関係者からセンターの構想と活動の現状について説明を受けた。概要は次の通りである。 ノルトライン・ヴェストファーレン州の2大学(①②)の教員養成センターは、2014年の州教員養成法に基づいて設置されており、「教員の質の保障」「教員養成研究ならびに学校研究・教授研究」の推進および「学術的な後継者の養成」に責任を持つものとされている。同州の教員養成センターは同法の規定に基づいてそれぞれ大学内にしかるべき地位を獲得している。加えて、①では、試補教員の養成を担当する「学校実践教員養成センター」と共同して全教職課程履修生の教育実習の管理・監督も担当している。また②は、ドイツ国内およびEU域内の大学教職センターとの間で継続的に研究交流事業を行っており、その中核的組織となっている。 ③の教員養成センターは、所在地の地名から「ダーレム教育学院」と名付けられており、教員養成のための学士・修士課程カリキュラムの策定と改善および教職研究の推進を中心に活動している。ただし組織としては、未だ整備の途上にある。 ④の「教員養成および教育学研究センター」は、2014年に全学の教員養成教育および教職研究全般に責任を持つ強力な組織となることをめざして創設されたものであり、順調に実績を重ねてきている。同大学はブランデンブルク州の中心大学であり、同州の教員養成に対する影響力は大きい。 以上の調査研究に加えて、昨年までの現地調査と研究を踏まえて、ケルン大学(ノルトライン・ヴェストファーレン州)の教員養成センターの歴史と現状について整理し論文としてまとめた。
|