2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02519
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
植上 一希 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90549172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 知加 東海大学, 九州教養教育センター, 准教授 (10585011)
児島 功和 山梨学院大学, 経営学部, 准教授 (80574409)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 専門学校 / 専門学校教員 / キャリア形成 / 専門性 / 専門家 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、専門学校教員への聞き取り調査の実施:専門学校5校11名の専門学校教員への聞き取り調査を実施した。うち、5名には複数回にわたる聞き取り調査を実施した。また、4校の経営者4名に対する教員の採用や研究状況に関する聞き取り調査も実施した。記録はテープ起こしと編集作業を行い、ご本人の確認を経て、聞き取り資料として確定させた。 2、過去の聞き取り調査の再整理:過去のプロジェクトにおいて行った専門学校教員への聞き取り調査を、今回のプロジェクトの観点から再整理する作業を行った。現在、合計で19名の教員データを収集・整理している。 3、専門学校教員のキャリア形成の類型化に向けての論点抽出:上記の作業をもとに、専門学校教員のキャリア形成の類型化に向けての論点の抽出を行った。そこから見えてきたのは、専門学校教員における専門性のレイヤーの重層性とその多様性である。そしてそれらは、各人のキャリア形成過程とも密接に関係していることがわかってきた。 4、研究会の実施:研究会を6回にわたって開催し、研究全体の進め方について協議を行った。また、本研究課題に関連する分野の専門家をゲスト・スピーカーとして招聘してレクチャーを受けた。 5、論文作成など:本研究の成果として、2本の論文と1冊の共著を作成した。とくに研究代表者である植上と分担者である瀧本が加わった佐々木英一・吉留久晴編著『職業教育研究の諸相』では、専門学校教員、専門学校教育に関する論考を職業教育研究に位置づけて展開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の1年目にあたる令和元年度は、全体としては順調に進み、研究成果としてもいくつかの論文と共著をまとめることができた。そのうちの1つ、「専門学校教員のキャリア形成の類型化に関する予備的検討-『専門学校教員になる』までに焦点をあてて-」は、専門学校教員への参入前過程の検討であるが、一定の整理はできたと考えている。 一方、聞き取り調査に関しては、当初予定していた人数よりも少ない人数に終わった。これは、聞き取り調査を実際に進める中で、1人当たりの聞き取り回数や時間が、当初の予定よりも2倍~3倍近くかかることがわかったからである。この点については、研究会でも議論を行い、聞き取り人数は当初予定よりも減らし、1人あたりの聞き取りのボリュームを増やすことに決定した。2年目以降も、その方針で聞き取り調査を実施する予定である。 また、聞き取り調査の過程で、追加で聞き取りが必要な調査などもでてきており、今後の研究の積み残しとして残っている。残った課題については、2年目以降に対応していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに、令和2年度は専門学校教員への聞き取り調査を進める予定である。ただし、コロナ禍によって現在、現地調査は著しく制限されている。この状況が続く場合は、研究計画の見直しが必要になるとグループでも議論しているところである。 また、成果の発表としては、令和2年度は複数の学会での発表を計画している。日本教育学会、教師教育学会、日本職業教育学会などにおいて、それぞれプロジェクトに関するテーマを設定して成果発表を行いたい。 上記の研究成果発表の準備や振り返りのために、メンバーのみの研究会やゲストを招いての研究会を定期的に実施することを予定している。
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Causes of Carryover |
計画よりもインタビュー件数が少なくなったため、旅費と文字起こし費用が減少した。また、調査先もいくつか変更したために旅費が減少した。
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