2019 Fiscal Year Research-status Report
中国の就学前教育振興政策下における農民工子女の教育保障
Project/Area Number |
19K02566
|
Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
木山 徹哉 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (20177942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 智哉 長野県立大学, 健康発達学部, 准教授 (00465907)
渡邉 望 長野県立大学, 健康発達学部, 准教授 (40621264)
寺川 直樹 長野県立大学, 健康発達学部, 助教 (50801990)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 教育保障 / 就学前教育振興政策 / 社会的弱者 / 公平性 / 平等性 / Action Plan |
Outline of Annual Research Achievements |
就学前教育振興政策下の中国おいて、社会的弱者の子女を中心に、幼児の教育保障のための幼児教育制度や幼児機関の整備及び実践について、今年度前半期は、先行研究をレビューするとともに、関連法規の整理を行なった。後半期(3月初旬)には中華女子学院の協力下で幼児園の観察と聞き取りを行なう予定であった。 前半期のの成果としては、「中国の就学前教育振興政策下における教育保障ー関連法規の解説と先行研究レビュー」と題する報告書(2019年11月、A4判 83頁)を公表した。本報告書には、改革開放以降の就学前教育の展開、就学前教育における公平性・平等性の議論、幼児園教師の資格・配置・養成及び待遇、就学前教育三年行動計劃(Action Plan)の内容と評価などをまとめている。 後半期には、前半期にまとめた報告書に基づいて、北京市内の幼児園を対象として、就園する幼児の情況(農民工子女や障害を持っている幼児、あるいは貧困家庭の幼児などの就園状況)、教師の量的質的状況、幼児園の財政や管理体制などを聞き取ること、また中華女子学院ほかの幼児教育者養成機関を対象として、学生募集の方法、入試の内容及び方法、教育課程、就業実態などを聞き取ること、などを先方と打ち合わせていた。訪中期間も2020年3月1日~6日で計画していた。しかし、新型肺炎の感染により残念ながら2020年度に再度検討することとなった。したがって、初年度の実地調査は実現できず、所期の目的を達成できていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記載したように、北京市における聞き取り調査の前提となる、就学前教育振興政策(Action Plan)の策定経緯や実施状況、並びに政策の評価等については、先行研究を可能な限り検討し整理した。さらにその政策を支える法規についても主要なものはまとめることができた。これらを内容とする報告書「中国の就学前教育振興政策下における教育保障」を公表した。しかし、新型肺炎のため、協力大学の中華女子学院(王練副学長)からの要請、並びに研究協力者との協議の結果、3月1日から6日に計画していた北京市における調査研究を延期せざるを得ない事態となり、予定していた実地調査は2020年度の適切な時期に改めて計画することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、新型肺炎の日本における収束の情況、並びに中国の受け容れ情況を見極めながら、新たに日程等検討しなければならないと考えている。その一方で、2019年度(初年度)に作成した報告書を基礎に、引き続き文献資料の収集とそれらの内容の検討を行なう。
|
Causes of Carryover |
初年度3月の訪中予定が新型肺炎流行により延期なったため、旅費等がキャンセル料を除いて未使用となり、次年度使用額が生じた。2年次以降の訪中計画を再検討した上で、渡航旅費として使用する計画である。
|