2021 Fiscal Year Research-status Report
保育参加を通した親の「学びの物語」アプローチとルーブリック評価の開発
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19K02616
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
永田 誠 大分大学, 教育学部, 准教授 (50435369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垂見 直樹 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (10581473)
宮嶋 晴子 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (20598122)
鈴木 雄清 大分大学, IRセンター, 准教授 (00333253)
松本 綾 (大村綾) 西九州大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (60589406)
菅原 航平 別府大学短期大学部, その他部局等, 講師 (90768540)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 親の保育参加 / 親の学び / 学びの物語 / 保育の質の向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も,収束を見ない新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受ける中であったが,調査対象園の協力等を得て,①保護者懇談会での親の「語り」に関する分析≪担当:永田・菅原≫,②親の保育参加に関する調査と分析≪担当:永田・菅原・松本≫,③「困難を抱える家庭」の保育参加分析≪担当:宮嶋・垂見≫の調査研究に取り組むことができた。 ①保護者懇談会での親の「語り」に関する調査・分析≪担当:永田・菅原≫では,Aこども園に就園する乳幼児の親を対象に調査を実施してきた全年齢児クラスの懇談会における親の「語り」の逐語録作成に注力した。また,先行研究のレビューを通して,複数の学問領域において,この20年余りの間に<子育て>に関する論文数自体は急増しているものの,<子育て>過程における親の「学び」を捉える方法論が未確立であることも見えてきた。これらの成果を踏まえ,今後,この親の「語り」の変容について,2022年度に学会報告・論文投稿を行う予定である。 ②親の保育参加に関する調査と分析≪担当:永田・菅原・松本≫では,前年度に引き続き2021年度もBこども園を対象に,0~5歳児の在園児の保護者ならびに担任保育者への調査を継続実施した。現在,調査結果については分析中であり,できるだけ早い段階で研究成果の報告を行う予定である。 ③「困難を抱える家庭」の保育参加分析≪担当:宮嶋・垂見≫では,調査趣旨に賛同する協力園に対する調査を,園内研修等で成果を還元するなど園と協働しながら進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も,収束を見ない新型コロナウィルスの感染拡大を受ける中,親の教育・保育参加の取り組み自体が中止・変更が余儀なくされた。そうしたことから,調査実施等について遅れや変更が生じているため,「(3) やや遅れている」と判断した。 2022年度は,研究最終年度となるため,これまでの調査研究の成果報告に注力していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,これまで取り組んできた①保護者懇談会での親の「語り」に関する分析,②「親の保育参加」に関する調査と分析,③「困難を抱える家庭」の保育観察調査の3つの調査研究に対する研究成果の報告に注力する。具体的には,研究成果報告書の取りまとめならびに研究成果報告会の開催を検討していく。 また,これまで蓄積された研究成果の知見を踏まえ,④「親の学び」に関する評価手法・尺度の開発についても検討を進める。 加えて,研究の申請時点では予測していなかった「コロナ禍」によって,幼児教育・保育における親の参加については,その前提としての相互の信頼関係構築や親の教育・保育参加の機会・環境といった前提が大きく揺らいでいる。その一方で,こうした揺らぎ・危機的な状況であるからこそ,新たな親の教育・保育参加の方法の創出への期待や意義が再評価されている。そうした点を踏まえ,これまでの研究成果をベースとしつつ,本研究課題自体も,大きく見直す必要性に迫られている。上記の点を踏まえ,本研究グループでは新たな研究課題の構想・計画・申請についても準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
2021年度は,新型コロナウィルスの影響で予定していた調査・学会の参加取り止め・オンライン開催等のため,当初計上していた旅費等に残額が生じた。また,データ入力の補助として学生アルバイトを雇用する予定であったが,中断せざるを得ない状況となった。以上の理由から,2021年度の予定額に残額が生じた。 ただ,2020年度から2名の研究分担者を増員しており,新たに計画に加わった「親の保育参加」に関する調査の実施や論文投稿等の研究成果報告についても,複数の学会・雑誌に投稿する予定となっている。したがって,次年度に繰り越した予算については,概ね研究計画の中で適切に執行できる予定である。
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Research Products
(12 results)