2023 Fiscal Year Research-status Report
Explorative, Subjective and Interactive Process of Professional Development of Educators of Early Childhood Education and Care Based on Social Constructionism
Project/Area Number |
19K02640
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
秋山 麻実 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90334846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英児 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40324173)
新野 貴則 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60353380)
小島 千か 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80345694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保育実践研究 / 二国間研究 / 保育環境 / 保育施設経営 / 保育者の専門性の向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、イギリスおよびスウェーデンの保育者の共同研究チームの活動に関する聞き取り調査およびユニークな保育環境開発と保育実践研究とを実施する複数園に関する調査を、2月に行った。 その結果、現在、Sightlines Initiativeでは、スウェーデンとイギリスの保育者による実践検討を中心とした保育研究チームを組織して研究を進めている。この研究に参加している保育所では、そうした研究活動に触発されることによって、保育実践を記録し、検討し、保育内容に生かすサイクルが、組織的にできているだけではなく、保育者一人一人が保育について専門的に語る言語を獲得していることが見て取れる。保育施設間の協働が、保育施設の組織の在り方の見直し、活性化、保育者の専門性の向上を触発することがうかがえ、そのメカニズムについて実践的に究明することが、新たな課題として見いだされた。 一方、保育実践研究を進めながらユニークな保育環境を開発する保育施設の調査については、地域の課題をどのように捉えるか(経済格差や自然環境など)、園の経営をどのように進めるかなど、園の重点が多様であることが見いだされた。日本の私立園の動向にも重なる部分があるが、課題の所在をもう少し見極める必要がある。これについては、2024年度に引き続き研究を進めたい。 一方、地域の保育文化におけるアートの役割について研究を進める計画だったが、研究者の多忙により、進めることができなかった。これについては、2024年度に研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題のひとつは、海外の実践を参考に、地域に根差しながら、園や地域をまたいだ共同的な保育研究のありようを探ることにある。これについては、コロナ禍の影響を受けたことで遅延しながら、2024年度に進め、2024年度にも進めることで一定の結論を出せる予定である。 国内において、地域に根差した協働的で対話的な保育文化の構築については、同じくコロナ禍で、オンラインに頼る部分がありながらも、進めて来ることができた。一方で、学内の組織改革により部所の大幅な教員減や、そのための変動により、物理的にも精神的にも大きな影響を受け、研究のために割ける時間が大きく減じたため、計画通りに進捗することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度が最終年度となるが、特定の園に協力を依頼して、アート活動と保育実践および実践研究の深化について研究を進める予定であり、準備が進んでいる。これについては、近い将来に研究発表を書籍などで行うことも話し合っている。 また、海外における地域に根差したユニークな保育実践の事例調査を重ねるとともに、地域事情と園経営の関係について理論的な整理を行い、一定の結論を得て、学会等で発表する予定である。少子化、多忙化、経済格差等を背景に、「良い」保育とは何かという問題が、バラバラに論じられることが多く、ニーズに応えるサービスの提供が重視されがちであるが、それとは異なるかたちで、地域の問題を保育を通して解決する実践が重ねられており、そうした事例の本質に迫る研究的な整理を行いたい。 あわせて、ハイブリッドを活用し、垣根なく地域の保育者が語り合える保育研究会も、営為継続して開催していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究計画の進捗が遅れたため、研究期間を延長して計画を進める予定である。 2024年度には、引き続き①イギリスのユニークな保育実践と実践研究、地域に根差した保育実践研究、園や地域を超えた共同的な保育実践研究に関する渡航調査を行うために使用する。②アート活動と保育実践及び実践研究の関係を構築し、研究するための活動費として使用する。③研究結果を地域で共有するために、シンポジウム等を開催するために使用する。④研究発表のための旅費や消耗品費として使用する。
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