2021 Fiscal Year Research-status Report
ヨーロッパの都市部における自然保育の実践とその教育的意義に関する実証的研究
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19K02662
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Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
柴田 卓 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60762218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 みな 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (10817711)
西浦 和樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (40331863)
伊藤 哲章 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (50735256)
柴田 千賀子 仙台大学, 体育学部, 教授 (80639047)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然保育 / ナショナルカリキュラム / フィンランド / デンマーク / イギリス / 戸外活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究成果は、次の2点である。1つ目は、デンマークおよびフィンランドの自然保育に関する実践とナショナルカリキュラムとの関連を調査し、調査結果を自然保育研究第4巻に投稿した。主な研究成果として、フィンランドのナショナルカリキュラムにおいては、自然や森は学習のための様々な可能性を与える学習環境として位置づけられ、自然環境下においても数学的な活動や内容が強化されていることも明らかとなった。さらに、「学習領域」は5つの項目で構成されており、保育計画の中で週に1回程度の頻度で森や自然での活動が実践されている要因が「身近な環境の中を探り活動する」という領域の内容を具現化した実践であることが分かった。デンマークの教育カリキュラムにおいては、6つの項目で構成され、特に「自然、アウトドアライフ、科学」に関する領域では、自然環境や屋外環境の教育的意義等が項目立てて説明されており、夏期は屋外で保育を行っているという実践者達のインタビュー結果との関連を確認することができた。両国の調査研究から、ナショナルカリキュラムと実践とを照らし合わせることで、各国の乳幼児教育において何を強調しているのか、また、自然保育や屋外環境がどのように教育的に意味づけられているのかを明らかにすることができた。 2つ目は、現在調査を継続しているイギリスの保育実践に関する調査についてである。自然保育を提供する団体にオンラインインタビューを実施し、イギリスナショナルカリキュラムとの関連を調査した。調査結果の一部は日本保育学会第75回大会にてポスター発表を行った。今後も、同国の保育実践調査を継続し、シンポジウムや論文投稿により、広く研究成果を公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、ドイツ・イギリス・スウェーデンの現地調査が実施できていない状況にある。現調査の代替案としてオンライン調査に切り替えて、インタビュー調査や事例の収集を行っているが、日程調整等により予定より進捗状況は遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により実施できていないドイツ・イギリス・スウェーデンの現地調査については、オンラインでのインタビュー調査や事例の収集に切り替える。加えて、代表者が所属する機関や学会等で、オンラインでの国際シンポジウムやセミナー等を積極的に開催し、確実に本研究の成果を積み重ね、公開していく計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、ヨーロッパ諸国の現地調査が実施できていないため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、今年度中に現地調査を実施するため、旅費として使用する。また、新型コロナウイルスの影響により、現地調査ができない際は、オンライン調査及びオンラインシンポジウム等を開催するための資金として使用する。
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Research Products
(3 results)