2019 Fiscal Year Research-status Report
地球市民の育成を目的とした図画工作・美術科の異文化間カリキュラムの国際協働開発
Project/Area Number |
19K02707
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 和世 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20363004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 弥 広島大学, 教育学研究科, 教授 (10201336)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 日米協働 / 異文化間教育 / グローバル市民 / 図画工作・美術科教育 / 異文化感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、以下の3点にまとめられる。 (1)シカゴ大学で5月に開催された国際会議である“Centennial Colloquium on Dewey Then and Now”で、同大学実験学校小学校部・中学校部、広島大学附属高等学校および同校三原小学校と2018年度に共同研究により開発したグローバル市民育成のための図画工作・美術科の異文化間カリキュラムについて発表し、成果と課題、今後の展望について協議を行った。 (2)インディアナ大学のグローバル・国際研究講演シリーズにおいて、インディアナ州と広島県の小中高等学校との共同で2015年から実施している異文化間カリキュラム開発について発表し、今後の研究展開の方向性について協議を行った。 (3)バーンズ財団文書館において、J・デューイのグローバル市民教育と芸術教育に関する資料収集を行い、財団との共同研究の在り方や方向性の明確化を図った。 (4)日米小中高等学校12校とグローバル市民を育成する図画工作・美術科のカリキュラム開発を継続した。本年度は新しく高等学校2校、小学校2校を加え、学習効果を測る質問紙調査を実施した。質問紙調査は、これまでに研究代表者等の研究から示唆された異文化感受性の発達段階について確証を得ることを目的とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)国際会議等での研究発表での協議を通して、シカゴ大学実験学校、並びに、インディアナ州の小中高等学校との共同研究をさらに発展させるための研究視点が明確になったこと。 (2)日米の研究協力校を増やすことでより多くの研究対象者を得ることができ、より妥当性のある調査研究を進めることができていること。 (3)バーンズ財団文書館での資料収集や職員との情報交換を通して、共同研究を進める上での具体的な計画が立てられたこと。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)異文化間カリキュラム開発に参加した児童生徒を対象に行った質問紙調査から得られたデータをさらに詳細に分析し、どのような学習効果が得られるのかをさらに明らかにしていくこと。 (2)得られたデータの分析を基に、児童生徒の異文化共感性を向上させる学習指導やカリキュラム編成の原理をさらに明確化していくこと。
|
Causes of Carryover |
今年度に新しく加わった研究協力校について、予定していた質問紙調査を来年度に延期したため、その報告書経費を繰り越し、来年度の報告書経費と合わせて使用する。
|