2021 Fiscal Year Research-status Report
Development Program for Enhancement of Elementary School English Education on the basis of Language Acquisition Theory
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19K02758
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
菅井 三実 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10252206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 幸夫 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (10207368)
黒滝 真理子 日本大学, 法学部, 教授 (20366529)
八木橋 宏勇 杏林大学, 外国語学部, 准教授 (40453526)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校英語 / フィラー / 方略的能力 / 英語スピーチ / 携帯型翻訳機 / 没入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校英語教育の学習内容を充実させるため、児童が「本当に言いたいこと」を英語で話す体感的な英語学習の開発を目的とするものであり、この目的のもとで2021年度は2つの取り組みを展開し、次のような成果を得た。 第1は、学習者(児童)の現実の意図を含んだダイアログを作成し、フィラー表現と併せて練習を行うものである。英語の会話練習が機械的な「お芝居」になってしまう原因には、他人の書いたセリフを覚えて役割を演じなければならない不自然な場面設定があるという認識のもと、これを克服するため、実際のオンラインゲームを友人と楽しむ場面を設定した上で、Guess what などの定型句を用いて会話の開始時における方略的能力を活性化するとともに、フィラー(filler)としての Lemme-see 等を導入することで、発話が詰まっても会話が停止しないようにした。結果、児童自身だけでなく指導者も学習の充実感を体験することができた。 第2は、児童自身が各自で作成したオリジナルの短い原稿を英訳し、1人ずつ自分だけの英語スピーチを披露するというものである。具体的には、「6年間を振り返って」というテーマを示して日本語で短い原稿を作成した上で、携帯型自動翻訳機(ポケトーク)を用いて児童自身が直接英訳し、そこに、近似カナ表記をつけることで public speech に挑戦した。この実践において、児童が発話した英語は児童自身が自ら作成した内容であり、児童は、(他人が作ったセリフではなく)自分が本当に言おうとした内容を自力で英語にし、自分だけの英語でスピーチしたという成功体験を持つことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度も、1年間に「まん延防止等重点措置」と「緊急事態措置」が兵庫県に通算217日間にわたって発表されたため、小学校での実践授業を行う機会が限定されたものの、5月と年明け2月の2回にわたって2種類の実践授業を実施し、当初の期待に相当する成果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に行った2種類の実践授業を検証するため、別の学校での実践授業を実施することによって、プログラムの改善点を見いだすとともに、研究全体を統括し、成果を発表する。
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Causes of Carryover |
主として、新型コロナ禍の中で、打ち合わせのための交通費が執行できなかったことによる。次年度への繰り越し金は、実践授業のための消耗品と、研究協力者との打ち合わせのための旅費に充てる。
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