2022 Fiscal Year Research-status Report
算数協同学習における対話的学びの変容プロセスの質的研究
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19K02780
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
石田 淳一 東京家政大学, 家政学部, 教授 (70144186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 光 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00293168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 協同学習 / 算数授業 / 発話分析 / グループ学習 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2021年度に引き続き、広島市立山田小学校の4年と5年の算数授業を定期的に観察し、授業データを収集した。また福山市内暁の星小学校の4年の算数授業のデータ収集を行った。いずれも授業全体のデータとともにグループ学習の様子をビデオカメラで記録し、発話記録を作成し、分析のための資料が収集できた。 論文作成に関しては至学館大学の鈴木正則教授との共同研究によって、解法探索型グループ学習と解法発表型グループ学習のちがいがグループ学習における相互作用に及ぼす影響を小学校6年の比の応用の問題解決場面を例に分析し、解法探索型グループ学習において「拡張の発話による連鎖」の相互作用によって班員の理解深化が図られる事例を示した(科学教育研究、46(3)2022年)。また小学5年生を対象に小数乗除文章題の立式に数直線図や関係図が与える効果を調べた。その結果、全体的に関係図を選択した児童の立式の成績が優れていた(科学教育研究、46(4)2022年)。小学4年、5年、6年を対象に値上がり問題と値下がり問題を用いて2つの数量の関係と別の2つの数量との関係を割合を用いて比べることができるかどうかを調べた。その結果、成績に学年間の要因は認められず、割合を用いて問題解決することが困難であることが示された(日本数学教育学会誌、104(10)2022)。 さらに鈴木教授とグループトークと全体交流の往還によるグループ方略を取り入れた算数授業の効果の研究や2グループが合体したチーム学習における問題解決の様相を発話分析から解明する研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期間の学び合いの算数授業が児童の問題解決過程や相互作用に及ぼす影響を調べることが目的であるが、2020年度、2021年度、2022年度と学校訪問が制約を受けて計画通りのデータ収集が困難であったため、1年間の変容など可能な範囲で児童の学びの変容を捉える研究を進行させている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度、2022年度に収集した算数授業データを手掛かりに学び合いの算数授業における児童どうしの相互作用の特徴や児童の理解深化について研究を行う。また2023年度は2022年度に条件付き採択となった論文の修正作業を行う。さらに、「ハノイの塔」問題を用いて、探索型グループ学習における成員の相互作用が児童の問題解決に及ぼす影響について共同研究論文の作成を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における小学校訪問による算数授業データ収集が計画通りできなかった分の予算が持ち越されて、令和5年度使用額として発生している。令和5年度は広島市立山田小学校、福山市の暁の星小学校において追跡クラスの算数授業データ収集を行うための旅費としての支出を予定している。
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