2020 Fiscal Year Research-status Report
統計モデリングによる大学カリキュラム評価システムの開発
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19K02867
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
藤野 友和 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (40364161)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カリキュラム / 高等教育 / ネットワークデータ / 可視化 / グラフ型データベース / 指標開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、研究実施計画における「カリキュラム評価のためのシラバス可視化システムの開発」について重点的に取り組んだ。2019年度に収集した科目間の関連性に関するデータを、グラフ型データベースであるNeo4jに格納し、統計解析ソフトウェアRにより構築したウェブアプリケーションにより可視化するシステムを考案し、技術的な検討や試作を行った。現段階では、任意の科目を選択して、その科目から他の科目への関連と他の科目からその科目への関連を切り替えてネットワーク図によって視覚的に確認することができる機能が実装されている。また、いくつ先までの関連をみるかどうかのオプションを指定することも可能である。システム構成としてはNeo4jやRの他に、Rで開発したアプリケーションを公開するためのサーバーとしてDocker技術を利用したShinyProxyを、ネットワークグラフの可視化をするためのライブラリとしてvisNetworkを採用している。科目の重要度指標については、2科目間の関連性の重要度に基づいて、それらが累積的にカリキュラム全体に及ぼす影響を指標化する方法について複数の方法を検討している。また、科目の多様性指標として、ネットワーク理論における媒介中心性や、その科目から到達可能なカテゴリ数などをベースにしたものを検討している。最終的には、これらの指標をアプリケーションに実装し、シラバス等とリンクさせることによってカリキュラムの評価や、学生の科目選択の利便性の向上を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度については新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、研究代表者自身の講義の遠隔講義対応に加え、本務先の遠隔講義対応のためのインフラ整備にも従事しており、十分に研究時間を確保することができなかった。また、参加予定であった学会や研究会も中止が相次いだことで予算の執行についても当初の予定通りにはなっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の進捗を踏まえ、今後は研究期間の延長を視野に入れて研究計画を見直しながら研究を推進する。2021年度は2020年度に開発したシステムに、開発した指標を実装することと、試作したシステムを実際に利用してもらうことを目指す。また、これまでの成果を学会等で発表する。自然言語処理による科目間関連性指標の開発をさらに進めていく。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、多くの学会や研究会がオンライン開催や中止となり、旅費のほとんどが執行できない状況であったため、次年度使用額が生じた。2021年度については感染状況を見ながら、これまでの成果の学会発表やさらなる情報収集を行う予定である。また、研究期間の延長についても検討している。
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