2019 Fiscal Year Research-status Report
社会性の発達に困難を抱える子どもの早期支援・特別支援教育に関するコホート研究
Project/Area Number |
19K02922
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
別府 悦子 中部学院大学, 教育学部, 教授 (60285195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 美保 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 教授 (10536212)
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 教授 (20209208)
宮本 正一 中部学院大学, 教育学部, 教授 (40105060)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会性の発達 / 自閉スペクトラム症 / 乳幼児健康診査 / 発達支援 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題番号25381327と16K04849では、ASD(自閉スペクトラム症)などがあり社会性の発達に困難を抱える子どもの早期発見や対応および特別支援教育に必要な事項を、自治体の乳幼児健康診査や就学時健診時のコホート調査を通し検討した。その中で、今まで社会性の発達に焦点があたっていた、ASD児の早期徴候として、姿勢運動面の発達に遅れや課題があることが明らかになった。また、子どものタイプによって、5歳時の対人関係や仲間関係への向社会性の状況にいくつかの類型があることが判明した。本研究では、コホート研究によって得られたマスデータの分析を引き続き行い、ASDなどの社会性の発達に困難を抱える子どもの早期徴候や発達機序を明らかにし、有効な早期支援の内容を検討することで、切れ目のない支援の方法やシステムを開発し、社会的実装に生かしていくことが目的である。 当年度の研究成果は次の二つである。 一つは、社会性の発達に困難を抱える乳幼児の早期発見・子育て支援のツールとして、M-CHATをもとにした「ままごと遊び」についての有効性を報告してきたが、それを全国の自治体の乳幼児健診や発達支援の現場で活用できる方法として還元するため、DVDの制作を行った。完成後、実践や教育の実際に活用してもらえるよう、関係機関への頒布を行う。 二つは、就学時健診時に保護者へのアンケートを2年にわたり行ったが、その結果を統計的に分析し、学校教育への円滑な移行につながる視点をまとめ、2020年3月の日本発達心理学会で報告した(新型コロナウィルス感染症のため紙上発表)。 今後この2つの成果について、国内外の学会やジャーナルへの応募や投稿を行い、関係者の意見を聴取する予定である。一方、かなりのマスデータが残され、まだ着手していない研究課題もあるため、その分析を急ぎ、協力していただいた住民や自治体への還元を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果を随時報告し、研究者や実践家の意見交換や評価のもと、次の方向性を探っているが、新型コロナウィルス感染症の影響で、それが十分にできない状態である。また、研究者間の意見交換もままならない状態であるため、今後急ピッチで進めていくことが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を社会的に還元していくため、DVDの完成と関係機関、自治体等への頒布を行う。それによって、関係機関等からの評価を受け、実用化に向けてより完成度の高いデジタルコンテンツの制作を行う。また、社会性の発達に困難を抱える子どもの社会的応答性などを図ったSRS-2やSDQのデータの分析をさらに進め、対象児の発達的特徴をふまえた支援の方法および特別支援教育の課題を明確化する作業を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で、研究公表ための日本発達心理学会第31回大会、および日本発達障害学会等への出席が不可能になったため、旅費の支出ができなくなった。また、DVD制作の完成を目指していたが、この感染症の影響で、東京の業者とのやりとりや研究者間の打ち合わせができなくなり、当初のDVD制作費や旅費等の執行ができなくなった。今年度は当初の研究計画を進めるために使用計画を再考し、有効に使用する予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Quantitative facial expression analysis revealed the efficacy and time course of oxytocin2019
Author(s)
Owada, K., Okada, T., Munesue, T., Kuroda, M., Fujioka, T., Uno, Y., ... & Yoshimura, Y. Quantitative facial expression analysis revealed the efficacy and time course of oxytocin
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Journal Title
autism. Brain
Volume: 142(7)
Pages: 2127-2136
Peer Reviewed
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[Journal Article] Quantification of speech and synchrony in the conversation of adults with autism spectrum disorder.2019
Author(s)
Ochi, K., Ono, N., Owada, K., Kojima, M., Kuroda, M., Sagayama, S., & Yamasue, H.
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Journal Title
PloS one
Volume: 14(12)
Pages: 1-22
Peer Reviewed
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