2019 Fiscal Year Research-status Report
情動反応にもとづく理解度の可視化によるプログラミング教育支援
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19K02973
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 幸郎 神戸大学, システム情報学研究科, 特命講師 (40549408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福安 直樹 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60324993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教育工学 / プログラミング教育 / 学習支援 / 情動反応 / コグニティブコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
情動反応にもとづく理解度の可視化によるプログラミング教育支援実現に向け,本年度はその準備として今後の研究遂行に向けた基礎データの蓄積方法の確立および,データ収集を主に実施した.実際の初学的なプログラミングにおける服す人の学習の動態の記録と,実施後に本人による,記録と実際の問題点との突合を行い,研究遂行に向けた学習者の精巧なデータの収集を行っている.また研究の実施にあたり,研究分担者および研究協力者と数回の研究打ち合わせを行い,研究として手法および評価尺度について議論を行った. 実際のデータ収集における問題として,キーボードなどの操作時にブラインドタッチに慣れていない学習者は入力時に手元を見るため,全般的にうつむき気味の姿勢となり,結果として画面とカメラに正対しないため顔の認識が出来ず,そのため感情分析などのコグニティブコンピューティングへの入力が行われないことが明らかになった.この問題に対しては,事前の位置調整や学習者に対するタイピング姿勢の指導など,ソフトウェア的なアプローチとことなる準備が必要となるため,今後実験や運用を行う際に強く検討が必要なことが分かった. 研究に対する取り組みの紹介として,主に若手の研究者が集まる学会での発表を行っている. 本年度の総括として,研究分担者・協力者と研究を進めるにあたっての体制構築,データ取得のためのソフトウェア的基盤整備を行い,次年度本格的な分析,システム構築にあたるための準備が行えたと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,今後の研究遂行にあたり必要となるデータ収集環境の整備と実際のデータ収集を複数人から行うことができた.また研究の方向性に関する議論も研究者らと行えており,おおむね順調に進展していると言える.これまでの研究成果として情報処理学会 関西支部大会でポスターによる発表を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる令和3年度は,主に初年度得られたデータを元に具体的に分析を行うフェーズとなる.具体的に感情解析の結果と学習の問題点の結果を時系列的に解析することで,感情の推移にともなう学習時における情動反応との関係を明らかにする.また,これらの関係性の一般化について予測モデル構築についての検討を行い,システムとしての実現性について検討を行う. また,初年度に問題点として明らかになったデータ記録に関する問題へのアプローチも同時に検討を進めて行く.
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Causes of Carryover |
初年度計画していた学会等への参加が,新型コロナウイルスの影響により中止や遠隔開催となったため旅費の支出が大幅に減少している.また当初購入を予定した実験機材について,まず既存のもので問題点を明らかにしてから導入を進めることとなったため,購入が翌年以降にずれ込むこととなっている.
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