2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Educational Materials and Evaluation in Logic Education Focusing on Deductive Logic: in Consideration of the Link between Preschool and School Education
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19K03125
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
竹歳 賢一 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (20712334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 傑 大阪大谷大学, 人間社会学部, 准教授 (40631966)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 論理教育 / 数学教育 / 演繹論理 / プログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校における論理教育カリキュラムを構築するために、「記号論理」を梃子として,「日常論理」と「数学論理」の接続を図り,論理的思考力を養成することを目的とした「論理の学習水準」モデルを設定した教育実践の分析より、論理教育カリキュラムを構築するために必要な観点を明らかにした。研究内容は先行研究を踏まえ,「記号論理」を扱い,有効な推論形式が恒真命題であることの根拠について,「推論規則」と「真理表」を利用した教育実践の成果を比較考察した。結果から次のことが明らかになった。1) 「真理表」,「推論規則」による証明の理解においては顕著な差は無かった。2) 演繹推論を「推論図」を利用して行おうとする生徒が,「真理表」群,「推論規則」群ともに学習前の2倍になり,思考を論理的に進めようとする意識が増えた。3) 約7割の生徒が推論規則を用い推論の連鎖を意識して推論図を利用する傾向が見られ「日常論理」と「数学論理」の関連が意識できるようになった。以上の教育実践の結果を総合すると,論理教育カリキュラム作成の方針として,「推論規則」を基本として教育内容を吟味して教育を行うことが可能であることが示唆された。 また、本研究の初年度にプログラミング教育における先行研究より、論理的思考力を高めるためにプログラミング学習が有効である知見を得た。この知見を利用して、本研究における小学校での論理教育においてプログラミング学習の有効性を検証するための予備実験を行った。予備実験においては、人が近づいたら回り、離れたら自動で止まる「自動扇風機」をLEGO WeDoを利用して製作しプログラミングする授業実践を行った。事前・事後アンケート調査結果の分析および行動観察から、「論理的思考態度」が高められたことが示唆された。この結果より、小学校における論理教育ではプログラミングを取り入れた授業デザインを策定する方向で進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響で、本研究の目的・方法に従ったヒトを対象とした実践をもとにした各種調査・実験等の実施および資料収集ができておらず当初の研究計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の状況を鑑み、5才児,小学校1~6年児童,中学校1~3年における「論理的思考力」の認識調査の実施・分析 を行い、その研究成果をもとにした幼小中接続における論理カリキュラムの策定に必要な観点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で研究計画において、資料収集に予定していた旅費がほとんど予算執行できなかった。また、計画していた調査が予定通りに行えずデータ整理等の謝金がほとんど予算執行できなかった。
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Research Products
(3 results)