2019 Fiscal Year Research-status Report
市販試薬を用いたチーム基盤学習形式による新規放射線教育
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19K03128
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤野 秀樹 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (90510975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線教育 / 放射線計測 / 自然放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩化カリウム、塩化ルビジウム、酸化ルテチウム等の市販試薬に含まれる天然核種(カリウム40、ルビジウム87、ルテチウム176)を放射線源として用い、GM計数管とNaIシンチレーションサーベイメーターによる放射線計測を通じた核種推定を行う放射線教育プログラムの開発を行った。 試薬を用いた放射線計測の再現性は良好で低い変動係数を示した。また天然核種から放出される放射線とエネルギーは異なることから、遮蔽による減衰特性は核種のエネルギーと良好な相関性を示し、核種推定が可能な教育プログラムが開発された。また放射線教育用の簡易型放射線検出器との比較試験も行い、汎用型の放射線計測器と類似した成績を示すことを確認した。これにより、放射線計測の経験が少ない学生でも試薬の放射線計測を容易に行うことが可能となり、学内外での実施も可能となった。この他、β線を放出するルビジウム87は液体シンチレーションカウンタにおける化学的または色クエンチング実習に、γ線を放出するルテチウム176とカリウム40はシンチレーターを用いたスペクトル解析実習への利用が可能であった。 学術活動として、得られた成績について放射線管理者や研究者が集う、第2回日本放射線安全管理学会・日本保健物理学会合同大会および日本薬学会第140年会にて学会発表した。この他、地域連携活動として神戸市主催の市民講座にて放射線教育について本放射線教育プログラムを2回実施し、実演形式による放射線教育を学生が行った。更に本学の放射線業務従事者への放射線教育にも本プログラムを利用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線教育プログラムの進捗状況は順調である。また学術的活動及び地域連携活動も回数は限られているが、順調に行われている。地域連携活動は現在大幅に制限されているものの、状況に応じて学外での活動も再開したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは、地域住民を対象とした放射線教育及び本学のRI実験センターを利用する従事者を対象とした放射線教育に試薬を用いた放射線教育を学生指導で実施してきた。本プログラムは放射線管理が不要な試薬を放射線源としていることから、計測が容易である他、測定機器の短時間での習得も可能である。これらの特性と活かし、今後は薬学教育モデル・コアキリキュラムに準拠した放射線教育プログラムを視野に入れた教育プログラムを開発したい。 薬剤師は放射性医薬品の調剤や管理を行う為、ほぼ全ての薬科系大学にて放射化学を必修科目として履修させているが、放射線実習を実施している大学は約半数である。その理由として管理区域内への立ち入り前の放射線教育、電離健康診断の受診、放射性同位元素の厳密な管理等の煩雑な放射線管理とされている。これらの放射線管理が不要な試薬を用いた本放射線教育プログラムは、短時間で放射線の距離や遮蔽による減衰を理解できる他、放射線の種類で性質が異なる等の能動的学修を促す新たな教育方法として期待される。
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Causes of Carryover |
簡易型放射線計測器の購入に際し、機器選定に時間を要してしまった。これに伴い今年度は必要台数の購入が出来なかった為に物品費の予算使用額と差が生じた。次年度は放射線計測器の購入及び放射線源の作製に向け、予定通りの予算執行を行いたい。
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Research Products
(2 results)