2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing a setting for scientific communication to support novice preschool teachers' philosophy of early childhood education
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19K03129
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
井上 知香 愛知淑徳大学, 福祉貢献学部, 講師 (80710540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 章弘 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケーションセンター, 特任講師 (70386639)
後藤 郁子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (60724482)
末松 加奈 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (30825625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 応答性 / 若手保育者 / 保育観 / 科学コミュニケーション / 対話 / デジタル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「科学物語づくり」をテーマとした科学コミュニケーションのワークショップを2回実施した。1回はオンラインで実施し、もう1回は対面で実施した(対面実施内容は昨年度までと同様に実施)。子どもの発想から始まる物語を大人がサポートする形で実施された。 2)科学講座での親子・保育者のやりとりのデータの収集を行った:参加者の同意を得たうえで、保育者・親と子どものやりとりを、オンライン上ではzoom録画を行い、対面ではiPadの画面収録(音声付き)を行うとともに、GoProでの録画を行いデータとした。 3)一昨年度デジタル絵本講座に参加した保育者の保育観の変容過程のデータを分析し、その成果を国内学会で発表した。また、一昨年度デジタル絵本講座に参加した親子・保育者のやり取りのデータをもとに国内学会で発表した。保育者からは、「ワークショップの場は、正しい答えは何かを問わずに、柔軟に親子とかかわり、子どもとかかわることとは何かについて考えられる場である」とのコメントを得た。このことは、ワークショップの行動解析からの介入動作においても裏付けられた。保育者の“自ら”を保証する本研究の場づくりの有効性が示唆された。 4)専門家からの情報収集を行った。ワークショップ実施について今後の展開の可能性を広げることを目的とした研究交流を行い、Digital Playについて理解を深めた。研究者及び保育者の知を深める場として、研究テーマとなる「応答性」「科学」「デジタル」についての知識を深める勉強会を保育者とともに1回オンラインで開催した。 5)2)について国内学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、親子科学コミュニケーションのワークショップの開催とそれに参加することによる若手保育者の保育観の変容過程を追う実践研究である。 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2021年度に予定されていた2回のワークショップの開催が中止・延期となった。新しくオンラインでのワークショップの開催も試みることができたことは、研究への大きな貢献となった。一方で、度重なる予定変更により、保育者らのワークショップへの参加、ミーティングや勉強会を持つ時間確保が難しくなった現状もあった。国際的な研究交流も叶わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅れから、研究期間を1年延長した。来年度は継続したワークショップの実施と報告書作成を予定している。 1)科学コミュニケーションのワークショップを開催(3回):これまでの研究を通して、親子と保育者が集う場所としての意義を見出してきたため、来年度も継続することとなった。来年度は保育者養成課程の学生にも参加してもらう予定でいる。 2)科学講座での親子・保育者及び保育学生のやりとりのデータの収集を行う。 3)科学講座に参加した保育者の保育観の変容過程、インフォーマルな場での学びやその課題についてのデータの収集を行う。 4)1)を発展的な内容にするための勉強会及びミーティングを開催する。デジタルを利用した保育実践や子どもの表現についての視点を学ぶために国内外の実践者との交流を予定している。 5)2)3)についてこれまでの研究の成果をもとに論文化を行う。また保育現場や親子に還元できるような報告書の作成を予定している。
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Causes of Carryover |
研究進行の遅れにより、研究期間の延長を行った。データ分析にかかる費用及び報告書作成費用に使用予定でいる。
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