2019 Fiscal Year Research-status Report
確率的判断過程における知識活用の評価方法と教員研修用教材の開発に関する研究
Project/Area Number |
19K03157
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西仲 則博 近畿大学, 教職教育部, 講師 (80756841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 厚 東京工業大学, 情報理工学院, 特定教授 (50444120)
高橋 聡 関東学院大学, 理工学部, 講師 (80630897)
竹村 景生 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 客員研究員 (40782165)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 確率判断 / 教師教育 / 仮説検定の考え方 / 統計教育 / 科学的リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「協働的学習の評価方法の開発と実践」と「教師教育用教材の開発とその評価」の2つの面を主眼とする研究を行った。 「協働的学習の評価方法の開発と実践」としては,知識をどのように活用しているかについての評価について,確率判断についてのサーベイと大学生の確率判断についてのアンケート調査を行った.大学生の確率判断に関するアンケートの分析結果の一部については,「数学教員志望学生の確率判断における 否定に関する研究 」(近畿大学教育論叢31(2),p43-58 (2020) )で報告した.この報告では,確率を用いて判断する場合,その値が非常に小さい(例えばp<0.001)であっても,確率が0ではなく,値として存在することを重視し,確率を用いて否定することに対する心理的抵抗があることを示した.その中で,仮説検定の考え方の基となる,後件否定の推論についても同様の結果を得られた. 「教師教育用教材の開発とその評価」としては,確率判断の1つである「仮説検定の考え方」についてのシナリオ型教材を開発した.「仮説検定の考え方」は,今回の改訂で初めて導入されるもので,殆どの現役の数学教師は,検定についての授業を行った経験がない.そのため,生徒がどのように考え,どのように扱うのかを,特にグループでの問題解決の場面の中で,できるだけ自然な思考を働かせ,解決を行う様を教材化している.また,生徒の活動に,教師がどのタイミングで,どのように介入すれば良いか,更に,どのように生徒の発表をファシリテートしていくかをシナリオ化した.これについては,統計教育実践研究第12巻(p139-142,2020)において紙上発表を行った.このシナリオを基に,マンガ型教材を作成し,検証を行っていくところである.このシナリオ型教材をベースに,中学校3年生で学習する標本調査についての教材,科学的リテラシー向けの教材をも開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
確率判断の1つとして,「仮説検定の考え方」を中心に研究を行っている.マンガ型教材を作成する前の段階での,シナリオについては,5パターン作成しており,シナリオ教材の検証についても,2019年度中に大学生向けについては,実施し,手直しを行うことができ,2パターンを追加し,7パターンのシナリオ教材を作成できた.実践面では,教師向けのワークショップを催し,教材を実践する予定だったが,コロナウィルスの影響のため,実施を見送ることになった.また,中学生にも実施を計画したが,こちらも,実施を見送ることになり,この点については,停滞している状態である.2020年は,これらを基にして,マンガ型教材を作成し,教員研修や授業での検証を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には,2019年度に作成したシナリオ教材を基に,絵の中に埋め込む情報について,精査し,マンガ型教材の作成の作業をを行う,マンガは下書きを発注した後,そのチェックを行い,本書きを行うようにしていく.下書きの段階でも,教員研修や実際の授業での効果検証を行っていく予定である.そこでのフィードバックを基にして,教師教材の評価について研究を行っていく.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは,マンガを描画してもらう委託費を使わなかったことにある.マンガ教材を作成するためには,まずそのシナリオを考え,それを基にして,様々な要素を練り込み,マンガ教材の基を作る.今回,シナリオを用いて,学生に調査を行い,その結果を踏まえて,シナリオの練り直しを行った.ただ,シナリオ教材を用いた授業を企画していたが,コロナへの対応で中止となり,授業での活用からのフィードバックを得られていない状態である.次年度の早急に,シナリオを確定して,マンガの描画を始め,マンガを完成し,活用していきたい.
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Research Products
(6 results)