2021 Fiscal Year Research-status Report
確率的判断過程における知識活用の評価方法と教員研修用教材の開発に関する研究
Project/Area Number |
19K03157
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西仲 則博 近畿大学, 教職教育部, 准教授 (80756841)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 厚 東京工業大学, 情報理工学院, 特定教授 (50444120)
高橋 聡 関東学院大学, 理工学部, 講師 (80630897)
竹村 景生 天理大学, 人間学部, 教授 (40782165)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 確率 / 仮説検定の考え方 / 日常と数学の表現 / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、確率判断についての教員用教材の開発が大きな目的である。そこで、今年度は、大きくわけて4つの教材を作成した。1つは、2022年度から高等学校で実施される学習指導要領で、数学Ⅰの内容として新らたに導入される「仮説検定の考え方」についてのケーススタディ型のシナリオ型教材である。これは、3パターン作成した。1つのパターンについては、2020年の日本数学教育学会春季研究大会で紙上発表されたものである。他のパターンについては、数学Aでの確率履修を前提したもの、中学校3年生での標本調査の内容を基にした批判的思考を促す教材である。HPで公開する。2つ目は、コンセプトカートゥンの考え方を用いたケーススタディ型の漫画教材である。1つの問題に対して、4パターンの説明を行う教材である。3つ目は、授業の場面として、教師からの発問・説明場面、それに対する生徒の反応場面、生徒の発表場面、発表に対する教師の説明場面を抽出し、これを漫画化した。場面ごとに、吹き出しを作り、その吹き出しに自由に記入し、授業を構成する教材である。こちらは、大学生を対象に実験を行い、データ解析を行った。確率の授業場面という指定であったが、学生のミスコンセプションが表出することが確認できている。5つ目は、「2枚のコイントス」についてのシナリオ教師教材である。これは、実際に行われた授業を基にして開発したシナリオ教材で、数学教員を目指す大学生を対象に実験を行い、その結果、教師の行動について67.9%の学生が間違っていると指摘できたことを、科学教育学会年会で発表した。 中学校2年、3年生の生徒の確率理解についての実態調査を行った。問題構造が同じであるが、日常的な表現と数学的な表現の差で、回答が変わるかを調査を行っている。こちらの解析も進めている段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教師教育用の教材開発としては、その開発したものを教員研修等で実施し、その評価を得ることが必要であるが、コロナ禍のため、対面の教員研修が行うことができない状況であり、作成をしたが、実施に至っていない。また、教員を目指す学生への対面での実施も考えたが、学生がオンライン授業が主になり、十分な機会を得ることができない状態である。その中で、できる事として、オンラインで行い、データ収集を行い、解析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
教師用教材については、できる限り、数学教員を目指す学生の協力を得て、さらなる改良が必要などうかを検討していく。また、そこで得たデータを解析しているとこであり、そこでの知見については、科学教育学会の年会や全国数学教育学会の年会等での発表を行っていく。
|
Causes of Carryover |
教師用教材として、シナリオ教師教材をマンガ化するにあたり、コロナ渦で教材について教師の反応を得ることができなかった。そのため、シナリオを精選できず、マンガ化が遅れたため。また、研究成果をまとめるための印刷費、また、科学教育学会の年会等での旅費が必要なため。
|
Research Products
(4 results)