2020 Fiscal Year Research-status Report
地域産業に貢献する実践力を育成する継続可能な工学教育フレームワークの提案
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19K03179
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
鈴木 裕利 中部大学, 工学部, 教授 (20340200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 康一郎 中部大学, 工学部, 教授 (00262949)
板井 陽俊 中部大学, 工学部, 講師 (10551971)
舘 伸幸 名古屋大学, 情報学研究科, 研究員 (30710256)
石井 成郎 一宮研伸大学, 看護学部, 准教授 (80399237)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実践力 / 教育フレーム / 教材 / カリキュラム / コロナ対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より,社会で活躍している先輩技術者らへのインタビュー結果から,①製品技術,②開発プロセス,③プロジェクト計画,④技術者としてのプロフェッショナリズムという4つの項目を実践力教育の柱とする方針を立てた.また,組込みシステムに関する技術面での特徴等を調査し,それを広く包含しつつ前述の4つの柱に基づいた,実践的演習教材を試作した.試行により一定のブラッシュアップを終え,実授業カリキュラムでの実施を計画したが,ここでコロナ問題が発生した.このため急遽,教材のオンデマンド化を行った.受講しやすさや,特定の単元の繰り返し視聴による理解のしやすさを重視し,1ビデオあたり平均5分,最大でも10分以内とする工夫を行った.作成したビデオファイルは,YouTubeを利用して配信を行った.これにより,専用のサーバー等を用意する必要がなくなり,かつYouTubeの持つアクセス記録機能を利用することにより,学生の動画利用状況を把握することもできた.それによれば,アクセス回数は受講生人数のおよそ3倍あり,繰り返し視聴があったことがわかった.実際に,受講生からも,繰り返し説明を聞けるので理解しやすかったという意見があった.今年度は,このオンデマンド教材に,2大学の合計40名の学生の受講を得た. 受講途中で提出された振り返りレポートを,ワードマイニングの手法で分析中である.受講中は,オンラインやオンデマンドでの学習への不慣れや,他の授業との干渉などにより,相当に苦難の様子が感じられた.一方で受講後の報告内容からは,ポジティブな表現が多く見られ,通常の授業以上に達成感があった様子がうかがえた. 計画では,得られた結果について,実践力に関するインタビュー調査に応じた先輩技術者に開示説明をしてフィードバック意見を収集する予定だった.しかしコロナ問題の混乱により年度中の実施を見送り,改めて別途実施することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度目標は,教材を試作し試行し,評価ルーブリックにより評価を行い,社会人技術者によるフィードバックを得ることにあった.本年度は,組込みソフトウェア開発を題材にした2単位相当のカリキュラムを設計.急遽発生したコロナ対応のため,オンデマンドに実装を行い,2大学40名に授業を実施までできた.一方で社会人技術者によるフィードバックは,コロナの影響により予定していた会合などが中止となり延期となったが,2021年度5月末頃に,授業結果プレゼンとフィードバック意見収集の具体的計画があり,概ね予定通りといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の試行により,開発教材は一定の教育効果があると考えられる.今後は,専門科大学生への継続及び水平展開を図るとともに,得られた工学教育の知見をもとに,中高生のような初学者に対するSTEM教育への応用へと研究を進める.従来科目のIT技術による改善や,エンジニアリングの考え方をどのように学ばせるかについて,生徒のみならず,教員も対象として教材の設計を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,学会等の発表の旅費等を使用しなかった.また,被験者による実験も実施せず,謝金等が発生しなかった. 今年度は,これまでに得られた知見のSTEM教育への応用を計画している.特にIT技術を活用した教材の設計を検討しており,その試作にかかる費用に充てる予定である.
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