2020 Fiscal Year Research-status Report
幼児期における感情の言語的理解の発達と保育・教育への応用
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19K03250
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
飯島 典子 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (40581351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和浩 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40560587)
小泉 嘉子 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (80447119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / 感情理解 / 視線分析 / 絵本 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として、保育施設では部外者の立ち入りに制限がかかったため、幼児を対象とした直接的な調査は全て中止した。そこで、以下の3つについて研究をおこなった。①遠隔会議システムを活用したデータ収集と分析の可能性を検討:条件ページには主人公の2つの表情が提示されたオリジナル絵本を動画作成した。この動画を遠隔会議システム上で再生し、被検者の顔画像を会議システムの録画機能を使って記録した。その録画記録データの瞳から2つの表情のうちどちらを注視しているのか視線分析をすることで、絵本の読み聞かせ場面における聞き手の文章理解と表情描画選択との関連を視覚化できるのではないかと考えた。この検証として、大学生を対象として予備調査を行った。②幼児の自発的絵本読み行動と感情理解との関連の検討:2019年度に行った保育者を対象とした質問紙調査データを用いて、5歳児が自発的に読む絵本の種類と幼児の行動特徴との関連について分析した。その結果、「気持ち」をテーマにした絵本は自己調整と関連し、「物語」は他者の感情理解、共感、アサーションと関連していた。ここから、「気持ち」をテーマにした絵本は感情をラベリングする上で活用することができ、「物語」は登場人物の感情理解、共感を伴う読み活動を行うことで、それらの学習が促されるのではないかと考えられた。ここから、絵本が幼児の他者の感情理解を促す上で有効であることが示唆された。次年度は、①幼児の物語における感情語の理解について検討を行う。②物語の登場人物の感情について予測読みしている場合、表情選択は文章より早い可能性が考えられることから、予測読みと表情選択との関連を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により保育施設での調査だけでなく、大人を対象とした対面による刺激提示の直接調査が実施できない状況であったため調査を予定どおり進めることができなかった。また、各大会が新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため集会中止やオンデマンド配信となり、本研究テーマの成果発表として予定していたポスター発表、ラウンドテーブルの実施は断念することとなった。中心課題の1つである、幼児の他者および自己の感情理解の発達において絵本が有効であることは明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実行機能と適切な表情選択との関連についての検討が残された課題となっている。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として行動制限が続いており、とりわけ保育施設は入構制限が厳しいことから、2021年度も直接調査は難しいことが予想される。そこで、大学生を対象に絵本読み中の適切な表情描画への選択的注意、予測読みによる切り替え速度に焦点をあてた調査に変更することを検討している。合わせて、幼児にも適応可能な調査方法へと開発を試みる。加えて、実行機能と感情理解との関連については、保育者評定による質問紙調査に変更することを検討している。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策のため、保育施設における幼児を対象とした直接的調査が中止となったため、視線追従分析にかかる費用が発生しなかった。また、学会の年次大会が中止、WEB大会となったことから、旅費が発生しなかったため、次年度使用額が生じた。 2021年度は録画記録データを使用した視線分析の開発費、分析アルバイトの人件費、保育者評定アンケートの実施費用およびデータ入力等の人件費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)