2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児期における感情の言語的理解の発達と保育・教育への応用
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19K03250
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
飯島 典子 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (40581351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和浩 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40560587)
小泉 嘉子 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (80447119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 感情理解 / 感情推測 / 実行機能 / 幼児 / 絵本 |
Outline of Annual Research Achievements |
5歳児を対象に①タブレットを用いた実行機能課題、②登場人物の感情選択課題、③登場人物の適切な表情の選択注視について課題を実施した。①と②は同じストリーリーを用いて異なる測定を行った。①は表情(感情)を複数提示し文脈に相応しい表情(感情)を選択するよう求めた。②は感情についての言及はなく同時に2つの表情を提示し、どちらを長く注視するか測定した。その結果、同じ場面であっても幼児は①の選択肢とは異なる感情を②で推測している場面があった。その理由は状況の一般的な理解ではなく幼児の経験から感情推測が行われていることが関係していると考えられた。 ②表情の選択注視課題はopen faceで分析可能データを得るための絵本動画を作成することができた。しかし、open faceの視線データは幼児の姿勢に大きく左右され、動画視聴中に幼児の向きが変わるため十分なデータを得ることができなかった。そのため、分析にあたっては、①②③の全てデータが揃ったケースではなく、①と②、①と③それぞれの関連について検討することとした。データ収集時期の関係から分析の発表は2023年度を予定している。 また感情を描写する絵本の繰り返し読みを5歳児クラスで行った。絵本の内容と関連する再現性のある遊びや日常的な会話で類似した表現の確認は、もともと絵本に関心のある子どもにとっては多くみられたが、支援を必要とする感情理解の乏しい子どもについてはみられなかった。絵本を集団に向けて読み聞かせたため、支援を必要とする幼児に合わせた読み方ができなかったことが関連していると思われ、感情理解の発達支援において絵本を効果的に活用するには個別の対応が望ましいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象児のクラス担任に対し「幼児の感情表現と行動特性に関する調査」を実施し、その評価得点から、感情理解に支援を必要とする「気になる」子どもの抽出を行った。 本研究では、感情の言語的理解の発達に影響を及ぼす因子に関わる課題として、注意の制御課題、感情語理解課題、確信度理解課題を計画していたが、これらは幼児への個別の調査を必要としていた。そのためコロナ禍が長期に渡り保育現場での調査が研究開始当初から難しく実施できない状況が続いていた。しかし、2023年1月-2月に予定していた全ての個別調査を実施できたことで計画通りの進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に則って研究を推進し、2023年度は収集データの分析を通して研究を一層深めつつ、一般化の可能性を検討する。加えて、保育者および小学校教員を対象とした現職者研修を計画しており、本研究から得られた知見から保育指導法および支援方法への応用を広めていく。その上で、5年間にわたる研究成果を体系的に整理し、研究書(複数)に取りまとめ発表する。
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Causes of Carryover |
2023年度末まで幼児への個別調査ができていなかったため、分析や論文執筆に関わる物品および資料等の購入を2024年度に持ち越した。
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Research Products
(2 results)