2019 Fiscal Year Research-status Report
両親の抑うつおよび養育行動と10歳児の行動特徴との関係
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19K03251
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 智子 筑波大学, 人間系, 教授 (90461821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 尚美 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30350573)
荒牧 美佐子 目白大学, 人間学部, 准教授 (80509703)
登藤 直弥 筑波大学, 人間系, 助教 (70773711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抑うつ / 養育 / 子どもの問題行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期からの縦断研究協力者の8歳、9歳の調査票の郵送による配布回収を行った。8歳児の回収状況は、は母親116名、父親62名であった。調査内容は、両親の抑うつ、養育行動、子どもの問題行動等であった。 子どもの養育に向けて組織化されたケアギビングシステムについて測定する尺度である、Caregiving Helplessness Questionnaire(George & Solomon, 2011)(以下CHQと略す)の原作者の許可を得て日本語訳を作成し、日本語版の信頼性・妥当性の研究を行った。関東近県の13の保育園、幼稚園の協力を得て、2歳から6歳児の保護者222名(母親210名、父親12名)から回答を得た。オリジナルと同じ項目からなる3つの下位尺度は、「母親の無力感α=.80」「母親と子どもの恐れα=.58」「子どもが養育者役割を担うα=.53」であった。信頼性係数の低い2つの下位尺度は、子どもの行動と母親の行動が含まれており、今後確認的因子分析等で検討する必要がある。併存的妥当性の検討では、「母親の無力感」は、親密性の回避のアタッチメントスタイル、親の抑うつ得点と正の相関、育児自己効力感・応答性と負の相関関係であった。「母親と子どもの恐れ」は、アタッチメントスタイルの見捨てられ不安、抑うつと正の相関、育児自己効力感と負の相関関係であった。「子どもが養育者役割を担う」は、子どもの介入行動、向社会性と正の相関、アタッチメントスタイル見捨てられ不安と負の相関関係であった。以上のように、質問紙での併存的妥当性については十分な結果が得られた。さらに、アタッチメントスタイルとの関係性を検討するために、観察実験を行ったが、感染症の拡大で中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施するべき質問紙調査を、子どもの誕生日に合わせて順調に配布・回収している。 尺度の日本語化とその信頼性・妥当性の検討も調査まで順調に終わった。観察研究の今後の実施については、感染症の収束を待って再会する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、10歳時のアンケートを配布する。10歳時が本縦断研究の最終回であり、5,6,7年時点の回答データに基づき各自へのフィードバックを作成し同封する。 また、10歳時点での親子のやりとりの観察を依頼し、本年度の末から実施する。 さらに、親子のやりとりのを査定するための、Emotional Avairability尺度を使うために、その信頼性獲得のための学習をすすめる。
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Causes of Carryover |
日本語訳した尺度の妥当性検討のための観察研究が中途でその謝金を持ち越した。
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Research Products
(1 results)