2022 Fiscal Year Research-status Report
両親の抑うつおよび養育行動と10歳児の行動特徴との関係
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19K03251
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 智子 筑波大学, 人間系, 教授 (90461821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 尚美 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30350573)
荒牧 美佐子 目白大学, 人間学部, 准教授 (80509703)
登藤 直弥 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (70773711)
直原 康光 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (80909705)
久保 尊洋 筑波大学, 人間系, 特任助教 (80887745)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 縦断研究 / 両親 / 抑うつ / 養育態度 / アタッチメント・スタイル / 子どもの行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母親・父親の抑うつ、アタッチメント・スタイル、夫婦関係、養育行動、子どもの行動の相互の関係について縦断的に検討することであった。本課題では7歳から10歳までの質問紙調査及び11歳時の母親・父親・子どもの観察実験を加えて実施した。これまで収集した、妊娠後期、産後5週、3か月、6か月、1年、その後毎年のデータを10歳まで、計14回、母親・父親から収集し終えた。加えて、4歳時、11歳時の父母子の観察データをそれぞれ取得した。本年度はこれらのデータを整理統合し、探索的に分析を試みた。 そして、父親と母親の抑うつに関する変数の異同の検討や4歳児の観察実験における母親と父親の子どもへの関わりの相違と子どもの行動との関係の分析や、潜在成長曲線モデルと潜在クラス分析を用いた父母の抑うつの変容の類型、幼児期から児童期までの子どもの問題行動の交差遅延分析、ネットワーク分析の活用等の検討を行い、日本発達心理学会第34回大会にてラウンドテーブルを企画し発表を行った。 一方、4歳児の父母子の観察研究の再分析を試みた。母子、父子、父母子の3場面において、母子・父子での相互作用と、父母子の三者になった場合の相互作用に相違がある傾向が見出されたため、指標を、各場面毎につけることにして、再度スコアを依頼し、信頼性を検討した。11歳児の観察指標(親子のやりとりや家族の雰囲気等)の検討やその得点化及び分析はまだ文献検討にとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査は順調に実施した。一方、観察研究は新型コロナウィルス感染拡大によって実施を遅らせ、結局対面での実施は可能にならなかった。そのため、オンラインで11歳時点での観察をオンラインで行い、その観察指標の検討及び実施が残されている。家族の相互作用を測定する尺度として、乳幼児期のものは複数検討してきたが、児童期の親子関係や家族関係、夫婦関係に関する観察指標についてはまだ検討の必要がある。さらに、翻訳した尺度の妥当性の検討のためのストレンジ・シチュエーション法を用いた観察研究の実施が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、定期的に分析会議を開催し、データ分析を進める。本年度分析を進めた内容の精緻化及び投稿を行うとともに、低出生体重児と一般の体重の比較、両親のアタッチメント・スタイルの変容等の更なる分析を追加する。さらに、4歳時の観察の再分析、11歳児の観察研究の指標及び、11歳児の観察指標(親子のやりとりや家族の雰囲気等)の検討やその得点化及び分析を推進する。さらに、コロナ禍で中止したCaregiving Helplessness Scaleの信頼性・妥当性の検討のための観察研究を実施する。
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Causes of Carryover |
Caregiver Helplessness Scale日本語版の信頼性・妥当性検証のために、20家族の協力を得る必要があり、その謝金として使用予定である。
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Research Products
(1 results)