2020 Fiscal Year Research-status Report
The importance of self-determination experience in education and child care issues of today - Based on the results of a lifespan longitudinal study
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19K03268
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
藤崎 眞知代 明治学院大学, 心理学部, 名誉教授 (90156852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 真理子 帝京大学, 教育学部, 教授 (70130010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己決定体験 / レジリエンス / ナラティブ / インタビュー面接 / 生涯的縦断研究 / 聞き取り調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
子ども時代の自己決定体験は、生涯にわる発達の基礎として重要であるにも拘わらず、今日、そうした経験が少ない危機的状況にあることから、以下の4点を検討した。 (1)これまでの縦断研究に基づいて、子ども時代の自己決定体験を30~50歳代になって、その体験の意味と影響についてスタッフと共に振り返った具体的手記や語りを中心に、『子ど もの自由な体験と生涯発達-子どもキャンプとその後・50年の記録』と題する本を、新曜社から3月16日に出版した。 (2)生涯的縦断研究の協力者であるシニアとジュニアのメンバー8名とスタッフ10名がZoomによる合同ミーティングを3回行い、近況を報告し合うと同時に、子ども時代の自己決定体験の今日の生活への影響、及び現代の親子関係等について語り合った。 (3)日常生活における自己決定体験の質・量と、困難な状況を乗り越える力であるレジリエンスの様態との関連を検討するため、昨年度から検討してきたレジリエンス尺度を決定し、保育形態の異なる幼稚園2園の年長児の2学期末~3学期当初において、担任保育者による個別の評定を94名を対象に行った。その結果、統制的で自己決定体験が少ない保育形態の園児の方が、レジリエンスの3因子とも高いことが示された。 (4)日本発達心理学会第32回大会において、「子ども時代における自己決定体験の生涯的影響性(2)-協力者と研究者との対話的関係を構築するプロセス」「子ども時代における自己決定体験の影響性(3)-生涯的縦断研究第2世代協力者へのインタビューから」として、ポスター発表を行った。さらに2019年度の発達心理学研究に掲載された論文が第30回学会賞を受賞したことから、「生涯的縦断研究としてのHuman Relationship Laboratoryの試み-対等な重層的対話的関係性の構築過程」と題して、小講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイリス感染拡大の影響で、国内外の研究協力者の家庭訪問によるナラティブ面接の予定、及び保育形態の異なる幼稚園の聞き取り調査の予定、等が延期されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)緊急事態宣言の緩和・解除等の状況に応じて、すみやかに昨年度予定していた家庭訪問による個別ナラティブ面接、及び保育形態の異なる幼稚園への聞き取り調査を精力的に行う。 (2)保育形態の異なる幼稚園年長児のレジリエンスの様態について、さらに2園程度の協力を得て、担任教師による個別評定を実施し、園生活における自己決定体験とレジリエンスの様態について、さらに検討する。また、小学校教師を対象に、子ども自己決定体験とレジリエンスとの関連について聞き取り調査を行う。 (3)海外在住の第2世代協力者への家庭訪問を、コロナ禍の状況をみて、年度内の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のための、参加・発表を予定していた学会はずべてWeb学会となり、旅費の支出がなくなったこと、保育形態の異なる幼稚園の聞き取り調査についても、同様の理由で実施できず旅費、及び協力謝礼品の支出がなかったこと、子ども時代の自己決定体験の生涯的影響について家庭訪問し、個別ナラティブ面接を行うこともできなかったため、交通費、面接の謝金、面接の逐語記録作成費、交通費等が支出しなかったことによる。
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Research Products
(4 results)