2022 Fiscal Year Annual Research Report
Authentic cognitive rehabilitation: utilization of ICT tools
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19K03290
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
松本 優花里 (橋本優花里) 長崎県立大学, 地域創造学部, 教授 (70346469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 丙鉄 近畿大学, 工学部, 教授 (30196993)
野寺 綾 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (50709748)
日下部 典子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (60461290)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 認知リハビリテーション / オーセンティック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究には、研究1:当事者にとって有意味で、楽しく、継続可能な課題を開発する、研究2:当事者の認知をとらえ、環境との相互作用を含めた支援の枠組みを提供するという2つの柱がある。2022年度はそれぞれについて以下の取組みを行った。 まず、研究1については、新興医学出版から出版されている「FM練習帳 脳損傷のリハビリテーションのための方法」シリーズ(藤井、2002)における聞く注意の練習帳、記憶の練習帳、そして頭が働く練習帳の中から課題をピックアップし、パーソナルコンピューター上で課題を実施できるよう実装した。その際、本研究代表者が臨床実践活動として行っている高次脳機能障害を抱えた当事者のための自助グループ「満咲」のメンバーの協力を得て、当事者の視点から課題の検討をする場を設け、当事者のニーズを踏まえるとともに、当事者が見やすく、実施しやすい環境になるよう取り組んだ。加えて、過去に作成した課題を現在の動作環境に合わせて再開発することにも取り組み、当事者からのニーズがあった「お釣りゲーム」をリニューアルした。 研究2については、当事者の感情を可視化し、当事者の認知との関係性を明確にするためのツールとして、パーソナルコンピューター上で当事者の感情をモニタリングおよび記録する「感情温度計」と「カレンダー」を開発した。また、脳の損傷が心身に与える影響について「公認心理師の基本を学ぶテキスト10 神経・生理心理学―脳から心を理解する」の第11章に「脳障害による心身への影響──みえない障害を理解するために」としてまとめたほか、コラムとして「オーセンティック認知リハビリテーションを考える」と題した内容を執筆し、2022年12月に刊行された。
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