2021 Fiscal Year Research-status Report
元国費留学生のライフストーリー研究:コンフリクト解決と生涯キャリア発達の視点から
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19K03295
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
井上 孝代 明治学院大学, 国際平和研究所, 名誉教授 (30242225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 武彦 和光大学, 現代人間学部, 名誉教授 (60176344)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 留学生 / 留学経験 / ライフストーリー / コンフリクト解決 / 生涯キャリア発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジア諸国から元国費留学生のライフストーリーをコンフリクト解決と生涯キャリア発達の視点からインタビューにより個別調査を行ってきた。その成果を第28回多文化間精神医学会学術総会シンポジウム「ダイバーシティとインクルージョン:ジェンダーに関する意識変容を考える」において報告した(井上孝代, 2021 元国費留学生のライフストーリー研究からの示唆~女性のコンフリクト解決と生涯キャリア発達の視点より~) 東南アジアの元国費留学生(女性)のライフストーリー研究からは、日本社会のジェンダーの意識変容が標榜されながらも、現実には女性がキャリアを形成していくには女性ならではのコンフリクトに遭遇すること、そして一方では女性自身がその共感性の高さにより、「自分自身を生き抜く」ことを自制しがちな心理的側面もあるのではないかということに気付かされた。それらは、Shore 等(2011)の「所属」と「独自性への価値づけ」というフレームワークで考えた場合、ホスト文化における留学生のみならず、日本における女性のインクルージョンの理想と現実のギャップを示唆している。 「語り」の中で特に特徴的だったのは、女性という立場ならではの留学後の結婚・育児や職業選択・キャリア分断などにまつわる生涯発達的な語りであった。そして、彼女たちが様々なコンフリクトを乗り越えながらキャリア形成の意欲を持ち続けられたのは、日本人の支援・こころの交流の賜物だったと述べたことも印象的だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で国内外でのインタビューは遠隔面接を行わざるを得なかった。このことは新しいチャレンジであった。ただし、予定通りにはインタビュー計画が進まなかった。中間報告的に、井上孝代, 2021 「元国費留学生のライフストーリー研究からの示唆~女性のコンフリクト解決と生涯キャリア発達の視点より~」として第28回多文化間精神医学会学術総会シンポジウム「ダイバーシティとインクルージョン:ジェンダーに関する意識変容を考える」で発表するにとどまった。テータ収集とその分析に基づく論文としてまとめるには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の令和2年度は2つの論文で事例研究と理論的考察を行った。これを踏まえて、次年度では、新たな事例を加えての研究プロジェクトをまとめていくことを予定している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、面接調査が遠隔によるものとなり貴重な研究体験となったものの、データ収集の予定は遅れてしまった。今年度の国内外の移動の可能性を見据えつつ、引き続きのインタビュー調査を継続したい。また論文を作成するに当たり、そのための諸費用が必要である。
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