2021 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of therapeutic effect of cognitive behavioral therapy for anxiety and obsessive-compulsive disorder
Project/Area Number |
19K03309
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平野 好幸 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (50386843)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 認知行動療法 / 不安症 / 強迫症 / MRI / 認知機能検査 / fMRI / 拡散テンソル |
Outline of Annual Research Achievements |
認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)は、患者の認知や行動をより適応的なものへと変容させていくことを援助する治療法であり、うつ病、社交不安症等の不安症、および強迫症などに対して薬物療法に劣らない治療効果を発揮することがわかっている。しかしながら、本邦の医療現場において、CBTを希望する患者全員に提供できる医療機関や治療者の数は依然として限られている。そこで、CBTが奏効する可能性が高いと判断される患者に優先的にCBTを提供していくために、あらかじめ治療反応性を予測する手法を確立することを目的とする。本年度は、認知行動療法を受ける予定の不安症20名、強迫症6名、健常対照者20名をリクルートし、症状評価、MRI検査、認知機能検査を実施した。認知行動療法を完遂した患者には、治療後の症状評価を行った。また、認知行動療法の治療効果予測の候補因子の探索のため、社交不安症を対象とした認知行動療法前後における安静時脳機能結合の変化を検討した。その結果、視覚ネットワークと顕著性ネットワークが治療効果を反映している可能性が示唆され、学会発表を行った。また、国際的多施設共同研究により、視床亜核の体積変化を小児期(12歳未満)、思春期(12-17歳)の子どもを含む強迫症患者と健常者を対象として検討した。その結果、12歳未満の小児期強迫症患者は外側および腹側核、視床枕、腹側核と視床全体の体積が大きい一方、成人期強迫症患者では全ての部位において小さく、薬物療法を受けている患者の寄与が大きかった。また、思春期強迫症患者には体積の差異はなかった。これらの結果から、強迫症の視床体積変化は年齢と投薬状況の両者により引き起こされることが示唆された。本研究の結果は英文誌Translational Psychiatryに掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延にともない、認知行動療法を受ける不安症と強迫症患者のリクルートが遅れたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者と健常対照者のリクルートと症状評価、MRI検査、認知機能検査を引き続き行うとともに、前年度までに得られた各種MRI画像と心理指標と治療効果との関連性を調べるためのデータ整備を行うとともに、集積したデータを用いて解析を進める。
|
Causes of Carryover |
研究協力謝金と心理検査者謝金の低減が可能であったため、次年度使用額が生じた。 画像解析に用いるノートPC、特任助教・特任研究員の人件費、研究成果を学会で発表するための旅費と学会登録費、英文校閲費、論文投稿料として使用する予定である。
|
Research Products
(13 results)