2021 Fiscal Year Research-status Report
マインドフルネスが回避行動の低減に及ぼす影響：ランダム化比較試験による検討
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19K03329
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| Research Institution | Chukyo University |
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Principal Investigator |
坂井 誠 中京大学, 心理学部, 教授 (80274603)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 竜也 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 講師 (70802924)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | マインドフルネス / 回避行動 / うつ症状 / 不安症状 / 介入研究 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，マインドフルネスが，回避行動を減少させることにより，うつ病や不安症に対して効果を発現するかを検討することであった。マインドフルネスとは初期仏教由来の瞑想法であるが，作用機序の解明がいまだ不十分である。
2019年度から開始した本研究であるが，初年度は，大学生を対象とした1時点の横断的な質問紙調査（研究1），2020年度は，コミュニティサンプルを対象とした，３時点のオンラインによる縦断的な質問紙調査（研究２）を実施し，マインドフルネスが回避を減少させるという知見を得た。
2021年度は，まず研究２の結果を日本認知・行動療法学会第47回大会で報告した。加えて，「ランダム化比較試験によるマインドフルネスが回避行動に及ぼす影響」を検討する介入研究（研究３）を計画していた。当初は，対面による集団形式のマインドフルネス・トレーニングを実施して，質問紙法研究では得られない，実際の介入による効果を検討する予定であった。この研究遂行を模索し，2020年から猛威をふるっていた新型コロナウイルスが消退するのを，ぎりぎりまで待った。しかし，計画通りに研究を遂行する機会は得られなかった。
そのために，研究期間を1年延長し，当初の研究計画を一部修正した。そして，2021年12月より，インターネットによる動画配信という手段を用いたマインドフルネス・トレーニングによる介入研究を実施した。その結果，インターネットによる2週間のマインドフルネス・トレーニングを実施した介入群と，マインドフルネス・トレーニングを行わない統制群の，実施前，実施後，終了4週間後のデータを得た。まだ詳細な分析は行えていないが，マインドフルネスの効果と，回避行動の減少という結果は得られた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
うつ病や不安症などに対するマインドフルネスの奏功機序を，より詳細に明らかにする目的で，当初は3年間の研究を行う予定であった。幸い，2019年度の研究１，2020年度の研究２は，質問紙調査研究であったために順調に進んだ。
しかし，2021年度に実施予定であった，研究３「ランダム化比較試験によるマインドフルネスが回避行動に及ぼす影響」は介入研究であったために，新型コロナウイルスの影響を受け，研究計画を一部修正せざるを得なくなった。研究協力者に，対面で直接マインドフルネス・トレーニングを指導する研究を実施したかったが，コロナウイルスに感染させるという危険性を払拭できなかった。
このような理由により，結局は，インターネットを介したオンライン動画によるトレーニングに変更したために，研究が遅れてしまった。
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| Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により，2021年度実施予定であった研究３の介入研究が遅れてしまったが，幸い2021年度末には，研究計画を一部修正したオンラインによる介入実践を無事終了することができた。しかし，まだ詳細な結果の分析はできていない。
2022年度は，研究３で得られた①Patient Health Questionnaire – 9（PHQ-9）日本語版，②Generalized Anxiety Disorder – 7（GAD-7）日本語版，③Five Facet Mindfulness Questionnaire（FFMQ）日本語版，④Cognitive-behavioral Avoidance Scale（CBAS）日本語版，という4種類のアウトカム指標の詳細な分析を行い，学会発表ならびに学術論文の執筆へと進める予定である。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で，当初計画していた海外（ドイツ）への学会出張ならびに国内の学会出張ができなかったために，共同研究者を含めた旅費の支出がなかった。
次年度は，学会出張のための旅費，ならびに研究結果の分析のための物品の購入等にあてたい。
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