2019 Fiscal Year Research-status Report
保育者のワーク・エンゲイジメントを支援するポジティブ認知行動療法プログラムの開発
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19K03337
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒木 友希子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30334741)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育者 / ワークエンゲイジメント / 認知行動療法 / ポジティブ心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたるR1年は、保育者に特化したワーク・エンゲイジメントの規定要因およびアウトカム指標を同定し、保育者のワーク・エンゲイジメントのモデルに関する仮説の生成をおこなうことを大きな目的として、2つの研究を実施した。 一つ目として、保育者の感情労働に焦点をあてた調査研究を実施した。具体的には、北陸地方の保育所、認定こども園、および、幼稚園で働く保育者 222 名を対象に、以下の AからE までの5つの要因とワークエンゲージメントに関して調査をおこない、関連性について検討した:(A) 勤務年数 (B) 感情労働 (C) ネガティブな感情労働 (D) 感情調節:再評価方略 (E) 感情調節:抑制方略。その結果、勤務年数が短く経験が浅いことが感情労働の頻度の多さにつながり、ワークエンゲージメントを低下させる可能性が示唆された。 二つ目として、保育者間のコミュニケーションを促進する協働型の園内研修をこども園で実施することが保育者のワーク・エンゲイジメントに良い影響を与えることを検討する実践研究を実施した。具体的には、関東地方のこども園に勤務する保育者18名を対象に、協働型園内研修を計画し、3ヶ月間に3回の研修を実施した。研修の実施前後に、困り感の指標として職業性ストレス簡易調査表57項目を実施した。その結果、研修の実施前と比べ、実施後にストレス反応が全体的により低下したことが示された。勤務時間の限られた多忙な保育の現場で協働型園内研修を工夫して実施することによって、職員が困り感を共有することができ、いきいきと働く意欲を増加させたことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、関係機関から協力を得て研究を遂行中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度おこなった研究から導かれた仮説を検証するための調査研究を実施し、保育者に特化したワーク・エンゲイジメントのモデルを構築する予定である。具体的には、紙媒体による無記名式調査用紙を郵送し、返送してもらう。回答協力者は、石川県、福井県、富山県、新潟県、愛知県、山梨県、千葉県のこども園または保育所に勤務する保育者約500名を予定している。
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Causes of Carryover |
28円の残高調整ができなかったため
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Research Products
(2 results)