2021 Fiscal Year Research-status Report
境界性パーソナリティ障害に対する認知行動的グループ療法の効果研究
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19K03346
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
寺島 瞳 東京経済大学, 全学共通教育センター, 准教授 (30455414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 圭介 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 講師 (40642921)
大久保 智紗 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 講師 (70637082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | STEPPS / 境界性パーソナリティ障害 / 集団認知行動療法 / 感情調節 / 認知行動療法 / グループ療法 / 効果研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,医療現場において境界性パーソナリティ患者(以下BPD患者)を対象に「感情を予測する力と問題解決力のためのシステムズトレーニング(以下STEPPS)」を実施し,その効果を検証することを目的としている。STEPPSは,認知行動療法の理論を基に作成されたBPD対象のグループプログラムであり,海外ではランダム化比較試験により有効性が実証されている。また,その他の心理療法に比べれば,日本でも大きなコストがかからずに実施が可能である。プログラムは,感情への対処と行動への対処からなり,全20回,約半年で実施される。1グループは2名のファシリテーターおよび6~10名のグループメンバーで構成することが推奨されている。週に1回のトレーニングは,症状のアセスメントに始まり,リラクセーション,宿題の共有,新たなスキルの学習という流れで行われ,1セッションには約2時間を要する。 本研究では,千葉県内の複数の医療機関でSTEPPSを実施する予定であったが,昨今の状況および研究代表者の異動により,医療現場での実施を進めることが困難となった。 そこで,2021年度は,境界性パーソナリティ傾向を有すると考えられる大学生に対象を変更して,ランダム化比較試験を用いてSTEPPSの有効性を検証するための準備を進めてきた。具体的には,倫理委員会への申請・承認,参加登録画面の準備,BPD症状の測定のために実施するSelf-report ZAN-BPD(Zanarini, Weingeroff, Frankenburg & Fitzmaurice, 2015)およびSTEPPSの治療遵守度を測定するSTEPPS Adherence Rating Scale(Black & Blum,2017)の日本語版作成の準備などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
千葉県内の複数の医療機関で実施を始める予定であったが,昨今の状況および研究代表者の異動により,医療現場での実施を進めることが困難であった。そのため,研究計画を変更し,当初よりも計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,境界性パーソナリティ傾向を有すると考えられる大学生を対象に,ランダム化比較試験を用いてSTEPPSの有効性を検証する。介入群,対照群がそれぞれ10名になった時点で,週1回2時間,全20回のSTEPPSの実施を開始する。研究代表者・分担者2名がファシリテーターを担当する。 割り付け後は介入群,対照群とも,介入前(セッション開始時),介入中(12セッション終了時),介入後(20セッション終了時),治療終了から3か月後 に,それぞれ評価を行う。対照群には,介入群のSTEPPS終了後に,希望する者に対して,STEPPSを実施する。 介入群+待機群にSTEPPSを実施する一連の流れを,介入群および対照群がそれぞれ26名 に達するまで繰り返す予定である。
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Causes of Carryover |
計画変更につき,使用する必要が生じなかったため。
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