2022 Fiscal Year Research-status Report
境界性パーソナリティ障害に対する認知行動的グループ療法の効果研究
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19K03346
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
寺島 瞳 東京経済大学, 全学共通教育センター, 准教授 (30455414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 圭介 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 講師 (40642921)
大久保 智紗 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 講師 (70637082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | STEPPS / 境界性パーソナリティ障害 / 集団認知行動療法 / 感情調節 / 認知行動療法 / グループ療法 / 効果研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,医療現場において境界性パーソナリティ患者(以下BPD患者)を対象に「感情を予測する力と問題解決力のためのシステムズトレーニング(以下STEPPS)」を実施し,その効果を検証することを目的としていた。しかし,COVID-19の感染状況等を鑑みて,研究機関内に医療現場で実施をすることは困難であると判断した。そこで,境界性パーソナリティ傾向を有すると考えられる大学生に対象を変更して,ランダム化比較試験を用いてSTEPPSの有効性を検証することとした。 2022年度は,青年におけるBPD症状の重症度を捉えるQuEST-Jを用いて,研究参加者をリクルートし,過去に大学生対象に行った調査における得点の中央値以上の者で,STEPPSの参加に同意した10名をランダムに介入群5名,待機群5名に割り付けた。その後,介入群に対して半年間にわたって,1回2時間,全20回のSTEPPSを実施した。実施にあたっては,UMIN-CTRに登録した(UMIN0000492605)。 割り付け後は介入群,待機群とも,介入前(セッション開始時),介入中(12セッション終了時),介入後(20セッション終了時),治療終了から3か月後に,それぞれ評価を行った。主要評価項目はQuEST-J,副次評価項目は日本語版PANAS,人生に対する満足尺度(SWLS),感情調節尺度日本語版(ERQ-J),日本語版BIS/BAS尺度,日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J),日本語版感情制御困難性尺度,日本版Brief Core Schema Scale,本研究で翻訳したZAN-BPD日本語版およびMSI-BPD日本語版であった。なお,今後,待機群の希望する者に対して,STEPPSを実施する予定である。 さらに,この間,精神療法(第48巻第6号)のパーソナリティ症と精神療法の特集に,STEPPSに関する紹介論文を寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医療現場での実施が困難となり,計画を変更したため,当初よりも計画が大幅に遅れていた。2022年度は臨床試験を開始することができたため,「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗が遅れていたため,期間を延長して,目標人数に達するまで,引き続き臨床試験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更により遅れが生じ,介入群・待機群とも目標人数に達していないため,次年度に延長した。
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Research Products
(2 results)