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2019 Fiscal Year Research-status Report

対称性を通したK3曲面と有理曲面の研究

Research Project

Project/Area Number 19K03454
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

瀧 真語  東海大学, 理学部, 准教授 (30609714)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
KeywordsK3曲面 / 自己同型 / 特異点 / 有理曲面
Outline of Annual Research Achievements

幾何的対象を考察する際,それが持つ対称性に注目することで新たな世界が見えてくることがある.例えば,一般の三角形に対称性は無いが,二等辺三角形や正三角形のような特殊な三角形は「左右対称」や「120度の回転」など特別な対称性を持つ.二等辺三角形や正三角形の特殊性はこのような対称性の存在によって特徴付けられているとも言える.本研究ではK3曲面の商曲面として得られる有理曲面の特異性や対称性に関する考察を行った.
19世紀に見出された代数多様体の一つである楕円曲線は代数・幾何・解析が見事に調和し,数学の雛形の一つと言える.これらは暗号理論への応用もあり,現在でも重要な研究対象である.K3曲面と呼ばれる代数多様体は楕円曲線の高次元化と見なされ,最も魅力的な代数曲面のクラスの一つである.また有理曲面は射影平面から爆発とその逆操作によって得られる多様体であり,古くから様々な視点から研究が行われ,幅広い応用や素朴ながら深みのある具体例を提供している重要な対象である.
これらの曲面は,自己同型による商曲面もしくは被覆空間によって関連づけられる.このような技術的には難しくない操作によってK3曲面と有理曲面の世界は結びつくが,「それぞれの世界の現象や応用が,もう片方の世界にどのように現れているか?」という問いは非自明であり重要である.特に「特殊な現象はもう片方の世界においても特殊な現象を引き起こしているか?」という問いに肯定的に答えることはK3曲面と有理曲面の世界にある種の類似性がある事を意味し,代数曲面論全体の問題としても意義がある.
当該年度では,K3曲面に一意性を持たせるくらい大きな位数を持つ自己同型の商を調べた.途中で,その位数を素因数分解したときの約数を位数にもつ自己同型を調べる必要もあったので,それも詳細に調べた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

K3曲面上のいくつかの特別な自己同型の商曲面(特異点を持った有理曲面になる)を調べられた.これについて論文としてまとめて,投稿することができたから,また該当研究に関する講演も幾つか行えたから.

Strategy for Future Research Activity

K3曲面上の自己同型の孤立固定点に注目して研究を進める.K3曲面上のある種の点は,ある条件を満たす自己同型の孤立固定点であるか否か,という視点で研究を進める.
COVID-19 の影響で,研究交流はしにくい可能性が高い.RAを雇用することで幅広い視点から研究を推進していく.

Causes of Carryover

COVID-19 の影響で,出張の予定がなくなったため.この影響は20年度でも続いているので,当初の使用計画とズレが生じる可能性はある.
20年度は研究アシスタントを雇用する予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2019

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 有限自己同型を持つK3曲面について2019

    • Author(s)
      瀧 真語
    • Organizer
      早稲田整数論セミナー
  • [Presentation] Automorphisms of high order on K3 surfaces2019

    • Author(s)
      Shingo Taki
    • Organizer
      Degenerations, algebraic surfaces and related topics
  • [Presentation] K3 surfaces of type 19 and 202019

    • Author(s)
      瀧 真語
    • Organizer
      湯布院代数幾何学ワークショップ

URL: 

Published: 2021-01-27  

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