2022 Fiscal Year Research-status Report
Tropical mathematics and combinatorics on Young tableaux
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19K03605
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩尾 慎介 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (70634989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ボゾン・フェルミオン対応 / 旗多様体のK理論 / シンプレクティック旗多様体 / Kピーターソン同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(I)微分方程式の研究から起こる『可積分系方程式』と、(II) 組み合わせ論的な対象『ヤング図形・対称多項式』のかかわりを調べるものである。「微分方程式」と「組み合わせ論」は、一見別分野の対象のようにも思えるが、両者の間につながりを見出して調べることで、より深い構造が明らかになる場合がある。本研究は、可積分系の一つである「ソリトン方程式」の技法を用いることでこの問題に取り組むものである。特に最近は、可積分系方程式の物理的側面に注目した「自由フェルミオン」の技法に着目して研究を進めている。本年度の主な成果は以下のとおりである。 ・2022年4月に公開された単著論文 ''Free-fermions and skew stable Grothendieck polynomials'', Journal of Algebraic Combinatorics volume 56, pages 493--526 (2022)において、可積分系の研究に重要な「自由フェルミオン」の技法を用いて「グロタンディーク多項式」と呼ばれるK理論的対称多項式の仕組みを説明することに成功した。 ・プレプリントサーバに公表した共著論文``Closed k-Schur Katalan functions as K-homology Schubert representatives of the affine Grassmannian'' (海外論文誌に投稿中)において、可積分系の一つである「戸田方程式」とグロタンディーク多項式の関係式を用い、量子K理論の性質を研究した。 以上は、可積分系方程式を用いた組み合わせ論研究の成果であり、本研究の趣旨に基づいた主要成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で、本研究の趣旨である「可積分系の手法を用いて代数的組み合わせ論の問題を解く」という内容に沿った研究成果が単著論文・共著論文により発表されており、当初の計画はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究をきっかけに、以下の2件の共同研究が進展しており、今後は共同研究者と連絡を取りながら、研究に取り組むことを計画している。(1) K理論的多項式の代数的組み合わせ論側面と、確率論的応用。(2) 旗多様体の量子K理論と、アフィングラスマン多様体のK理論の研究。
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Causes of Carryover |
2020年度から続いた新型コロナウィルス感染症の流行の影響による国内・国外出張の停止により、研究計画当初予定していた研究集会(京都・ハンガリー・ポーランド)が中止になったこと、および消耗品購入が滞ったことから、その分の予算(約80万円)が未使用のままとなっている。2023年度は(i)研究成果のオープンアクセス化(Gold OA)費用と、(ii)ポーランドにおける国際研究集会の参加(SIDE 14.2, 6月), (iii)京都における研究集会の参加(RIMS共同研究, 毎年7月~8月)により使用する計画である。
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Research Products
(4 results)